詐欺疑惑大きくなる宝船…「核心人物は身分洗濯した海外逃避犯」

  ロシアの軍艦ドンスコイ号をめぐる宝船議論が株価操作と各種詐欺疑惑事件へと拡大している。仮想通貨を発行するなど宝船関連投資事業の核心人物とされるシンガポールシンイルグループのユ・ジボム元会長(43)が過去の行動と身分を偽りながら二重生活をしてきたとの主張が暴露され警察が本格捜査に着手した。

  ソウル・江西(カンソ)警察署は30日、「シンイルグループ関係者らに対し出国禁止措置を取った」と明らかにし、捜査を拡大している。警察は関連者を召喚調査し、彼らの関係と役割などを綿密に調べる計画だ。特に海外にあるユ元会長に対する調査が今回の事件の疑惑を解く核心であるだけに警察は彼の身柄確保案などを検討中とされる。

  中央日報探査チームが接触したユ元会長の最側近人物と複数の知人によると、ユ元会長は現在起訴中止者の身分だ。不動産投資、再建築組合関連事業などを行う過程で数件の詐欺事件に関わり、7年ほど前に韓国を離れ現在はベトナムに滞在しながら宝船事業をしてきたという。

  この2年間にベトナムで2度ユ元会長と会ったという知人のA氏によると、ユ元会長は自身が関連した詐欺事件の共犯が逮捕されてからユ・ジボムという仮名を使っており、実名は「ユOO」だという。10年ほど前に詐欺容疑で逮捕され、議政府(ウィジョンブ)刑務所などに収監された前歴があるユ元会長は、出所後もさまざまな事件に関わり数回にわたり告訴・告発されると、捜査機関の調査を避け海外に逃避したという。

  A氏は「ユ元会長はベトナムのホーチミンにあるマンションで生活しており、昨年旅券の期限が満了し非常に困惑していた」と話した。ドンスコイ号事業と関連しA氏は「昨年半ばからユ元会長が関心を持って事業準備をしてきた。普段からビットコインなど仮想通貨に関心があった彼が宝船テーマを利用してコイン投資事業で領域を広げたと理解している」と話した。

  今回の事件に登場する会社はすべて「シンイル」という名前を使っている。まずドンスコイ号探査と引き上げプロジェクトを進める会社は韓国にある「シンイルグループ」だ。宝船テーマで仮想通貨を発行し投資家を集める会社はシンガポールにある「シンガポールシンイルグループ」だ。2つの会社は代表が違う別の会社だ。だがこの2つの会社は今回の事件と密接に関連している。

  シンイルグループの法人登記簿謄本によると、この会社は先月1日に設立された。最初の代表理事はリュ・サンミ氏(女性、48)だが、24日に代表から退き現在は社内理事だけ務めている。ユ元会長の知人B氏は「リュ・サンミ氏とユ元会長は実のきょうだい関係」と話した。韓国国内での活動が不可能なユ元会長が自身の姉を使ってシンイルグループを作ったという主張だ。実のきょうだいとされるが、2人のハングルによる姓の表記は異なる。

  24日にシンイルグループはシンイル海洋技術に社名を変更し、代表理事をチェ・ヨンソク氏(CPAパートナーズ代表)に交替した。B氏は「リュ・サンミ氏は仁川(インチョン)に居住する主婦であり、副業としてライフプランナーをしている人物で、弟であるユ元会長の要請で名義を貸したもの。ドンスコイ号関連事業と会社経営などのために会社に出勤したことはほとんどない」と話した。B氏はまた「ユ元会長が姉を使って上場企業である第一製鋼工業の株式取得契約を結ばせた後、シンイルグループが宝船を発見したというニュースを通じてこの会社の株価を大幅に引き上げるのに関与した疑惑がある」と主張した。株価操作疑惑と関連しては金融当局がすでに調査に入った状態だ。

  ユ元会長は今回の事業を進めながら仮名の使用だけでなく、1人2役、3役までしたという疑惑もある。取材陣が会った別のユ元会長の知人は「ユ元会長は状況によって名前を変え、必要な時は自身がグループの広報担当者や法務チーム長の役割までしてきた」と話した。

  シンガポールシンイルグループがシンイルゴールドコインという仮想通貨で投資家を募集した時に出た広報チーム長「パクOO」は実際にはユ元会長であり、彼が1人2役をしたものと主張した。長期にわたる海外逃避生活をしているユ元会長の側近人物とごく少数の知人を除いては彼と直接会ったり電話をした人は少なかったためにこうしたことが可能だったという。

  かつてユ元会長の側近だった人物は「最近疑惑が一波万波に広がるとユ氏は会長から退き『ソンOO』という人物をシンガポールシンイルグループの新たな会長に立てた。ソン氏もやはり過去にユさん自身の知り合いで、彼の名前だけ借用して事業に利用しているもの」と暴露した。この人物は「シンイルゴールドコイン投資家が10万人をはるかに超え、投資金も500億~600億ウォンに達したと承知している。宝船を利用した相場操作と仮想通貨投資を通じた数百億ウォンの資金が彼らが狙った本当の宝」と主張した。

  提起された疑惑と関連しシンイルグループは26日に記者懇談会を開き、「シンガポールシンイルグループの仮想通貨事業と当社のドンスコイ号探査・引き上げ事業は無関係だ」と釈明した。また「(株価操作疑惑を受けている)上場会社の株式取得は元代表のリュ・サンミ氏個人次元の投資にすぎない」と一線を引いた。

  しかしシンガポールシンイルグループは仮想通貨事業を継続して推進している。この会社は30日に自社ホームページを通じ「各種メディア報道により世界でシンイルゴールドコインを知らない人がいなくなった。8月6~15日にシンイルゴールドコインと関連した白書を公開し、会員には個人電子ウォレットを提供する」と明らかにした。

  取材陣は各種疑惑に対するユ元会長の立場を聞くためシンガポールシンイルグループに電子メールなどを通じ複数回にわたり接触を試みたが回答はなかった。

  

中央日報 http://japanese.joins.com/article/596/243596.html

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