不況の韓国、「感情」関連本の売れ行きは好調

 現在放映中のドラマ『知ってるワイフ』(tvN)には、育児や家事にさいなまれて「怒り調節障害」発症直前の妻ソ・ウジン(ハン・ジミン)が登場する。夫がこっそり買ってきたゲーム機をウジンが水中に投げ込むシーンは、視聴者の中でも特に主婦の共感を集めた。ドラマのウジンは、不況・競争・失業など暗い影を落とす現実を前に感情をうまくコントロールできずに苦しむ韓国社会の自画像でもある。
  ウジンのような症状を経験する人が増えるにつれ、「感情」をテーマにした本の出版が相次いでいる。そうした本の傾向は大きく言って2つに分かれる。感情の負の面を認め、寄り添って見てみようとアドバイスする本と、感情を鎮める方法について書かれた本だ。
  気分変調症(軽度のうつ病)を患っている28歳の女性ペク・セヒさんが書いた『死にたいけどトッポッキ(韓国もちの唐辛子みそいため)は食べたい』(出版社フン)は今年6月20日に出版され、約7万部売れた。著者が精神科専門医と12週間にわたり交わした会話をつづったものだ。主な読者は20-30代の女性。この本を出した同社のキム・サンフン代表は「容姿コンプレックス、飲酒強迫、感情の矛盾などを素直につづった点が同年代の女性たちの共感を集めた」と語った。
  心理学者のチェ・ギホン高麗大学教授の『病気でも病気だと言えないなら』(社会評論社)は「感情と向き合う」のがテーマだ。「悪い感情」というものはなくて、苦痛も省察すべきだと教えてくれる。同社のユン・ビョンム主幹は「悲しみ、恐怖、怒り、嫉妬(しっと)といったネガティブな感情を避けようとする傾向がある最近の若者たちに、その感情は自我が発信しているメッセージであることを伝える本なので、20代の読者からの反応が多い」と語った。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/08/24/2018082401666.html

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