【社説】難民包容は必要だが、玉石は見分けるべき

  今年に入って済州道(チェジュド)に来た561人のイエメン人は韓国社会に難民問題を宿題として投げかけた。温情主義的な声と漠然とした「イスラム恐怖症」がぶつかる状況だ。厳格な難民審査で均衡点を見いだす必要があるが、これも容易でない。内戦のため国家機能が事実上なくなったイエメンから難民申請者に関する資料を確保するのが難しいからだ。

  こうした状況で中央SUNDAYがイエメン難民のフェイスブックを分析した結果は、一部の国民の心配が根拠のない恐怖ではないという点を示唆している。分析の結果、済州道に滞在するイエメン難民のフェイスブックのおよそ半分で問題の余地がある掲示物が見つかった。銃を携帯したり麻薬の一種のカートを服用する本人の写真、イスラム武装勢力に対する支持を表した掲示物などだ。

  もちろんこうした写真と掲示物があるという理由で無条件に危険だと判断することはできない。イエメンは合法的な武器所持可能国であるうえ、男らしさを誇示するための一種の装飾物として銃器を携帯する場合も多いという。幻覚成分があるカートは国際的には禁止されているが、イエメンでは合法的な嗜好品として扱われる。しかし難民審査の過程では、こうした掲示物が出てきた理由について徹底的に検証する必要がある。法務部が難民申請者のソーシャルネットワークサービス(SNS)活動内容を審査で参考にする方針が伝えられ、審査待機者のアカウント閉鎖や掲示物の削除が続いているという。これについてもあらかじめ対策を準備しておかなければいけない。

  韓国は難民保護国の地位にありながらも、実際この問題に本格的に露出したことはない。突然登場したイスラム難民に対する国民の不安感が大きいのもこのためだ。もちろん無条件の嫌悪や閉鎖的態度はいけない。世界の社会の一員として国籍と宗教、人種を問わず普遍的人権を尊重するのは当然のことだ。しかし韓国社会に不安を招く可能性はできる限り減らすべきだろう。難民関連部処の人員を拡充し、科学的審査技法を開発するなど玉石を見分ける装置を強化することが求められる。

中央日報 http://japanese.joins.com/article/400/244400.html

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