法人分離にブレーキ、「GM韓国撤退」の口実に?

  裁判所が28日に韓国GMの研究開発法人分離計画にブレーキをかけ、韓国GMをめぐる緊張が再び高まっている。韓国GMを分割して経営正常化の速度を高めると公言してきた米ゼネラルモーターズ(GM)の当初の計画にもずれが生じることになった。この渦中に韓国GM労働組合の闘争強度はますます強まっている。GM本社は大規模構造調整カードを切り出した。GMが「韓国裁判所の法人分離ブレーキ」と「過激な労組」などを名分に掲げ、韓国からの「段階的撤退」に転じるのではないかとの懸念が大きくなっている。

  ◇裁判所「産銀の拒否権認定」

  ソウル高裁はこの日、韓国GMの2番目の大株主である産業銀行(持ち分率17.02%)が株主総会での「分割計画書承認件」決議執行を停止するよう求め会社側を相手取り起こした仮処分申請を一部受け入れた。裁判所は「韓国GMが先月19日の臨時株主総会で決議した分割計画書承認件の効力を停止する」と明らかにした。これにより韓国GMのデザイン・研究開発部門と関連人材3000人を生産法人から切り離して来月3日に「GMテックコリア」を設立しようとしていたGMの計画は全面ストップする状況に置かれた。

  裁判所は特に「(法人分離は)韓国GM定款により普通株85%以上の賛成を必要とする特別決議対象として規定された『会社の吸収合併、新設合併その他会社の組織改編』項目に該当する」と判断した。韓国GMが株主総会を強行した当時、法人分離は産業銀行が保有する拒否権の対象でないと主張したが、裁判所はこれを認めなかった。産業銀行は5月に株主総会特別決議事項(17項目)を普通株85%以上の賛成で決めるようにする拒否権を確保した。産業銀行が少ない株式(17.02%)でも総資産の20%を超過する資産の処分・譲渡など17の主要経営事項にブレーキをかけられるようにした権利だ。産銀はこの日の判決に対し「裁判所の判断を尊重する」という意見を出した。

  韓国GMはすぐに反発した。「裁判所の判決は遺憾であり同意しない」という激高した公式立場まで発表した。同社関係者は「大法院(最高裁)に再抗告することを検討している。分割法人設立はあきらめない」と強調した。

  ◇追加構造調整の懸念拡大

  業界では今回の判決でGMが韓国事業計画を全面再検討するのにならないかとの見通しも出ている。韓国GMのある協力会社代表は「大法院判決が残っているがGMが事実上韓国法人を分離するのは不可能になったとみなければならない。韓国内の事業を悩んできたGMとしては泣きたいところに頬を打たれた格好かも知れない」と話した。

  強硬闘争に固執する労組もGMに撤退の口実を与える可能性があるとの懸念が出ている。韓国GM労組は今年に入り成果給を適時に払わなかったという理由で鉄パイプを持って社長室を占拠し、新車発表行事を妨害するなど会社側を圧迫している。業界関係者は「労組の過激な闘争が繰り返されればGMが既存の投資計画を白紙化し撤退する名分とする可能性もある」と指摘した。

  GMが発表した全社的構造調整の方針もやはり韓国GMを不安にする要因に挙げられる。GMは最近海外工場7カ所を閉鎖または縮小し、1万4700人の人員削減をする大規模構造調整計画を発表した。閉鎖することにした海外工場2カ所に韓国GMの工場が含まれているのではないかとの懸念が高まっている。群山(クンサン)工場に続き昌原(チャンウォン)工場を閉鎖したり、富平(プピョン)第1・第2工場を統合する可能性があるという見方も出ている。昌原工場で生産する「スパーク」「ダマス」「ラボ」などは収益性が高くなく生産台数を減らすとの見通しが引き続き提起されている。

  産業研究院のイ・ハング研究委員は「トランプ米大統領が雇用縮小を懸念してGMに強く圧力をかければGMが北米地域の構造調整計画を一部変更し韓国など海外工場から手をつける可能性もある」と見通した。

  韓国GMは2月13日に群山工場を閉鎖した後に労使対立が激しくなり、法定管理の適用寸前まで追い詰められた。5月初めに労使が劇的に希望退職と福利厚生費削減などを含めた自助案に合意し経営正常化の手続きを踏み始めた。だが先月に研究開発組織分離問題などで労使不和が再び高まり韓国GMの経営正常化作業も再び不透明になった。

中央日報 https://japanese.joins.com/article/612/247612.html

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