南北首脳が乗ったベンツは制裁違反か、国連が調査

 国連安保理の北朝鮮制裁委員会が、今年9月の南北首脳会談時に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が一緒に乗ったベンツや、金正恩委員長がプレゼントしたマツタケ2トンについて、制裁違反かどうか調査しているという。米国のラジオ放送「自由アジア放送(RFA)」が28日(現地時間)に報じた。

  北朝鮮制裁委の関係者は28日、RFAの取材に対して「文大統領が今年9月に平壌を訪れて自動車パレードを行った際に乗った車が北朝鮮に持ち込まれたルートを調査している」と語った。当時の自動車パレードに利用されたオープンカーは、メルセデス・ベンツS600プルマン・ガードを改造したものと推定されていた。2006年に北朝鮮制裁を定める安保理決議1718号が採択された後、国連は北朝鮮へのぜいたく品の供給・販売を禁じている。この車は価格が10億ウォン(約1億円)に達すると言われ、当然ながらぜいたく品に分類される。さらに、この車種が発売されたのは08年だという点を考慮すると、北朝鮮への持ち込みは制裁違反に当たる可能性が高いのだ。

  またこの関係者は、RFAに「北朝鮮当局が韓国政府と国民にプレゼントしたマツタケ2トンが制裁決議違反に関わるという疑惑も調査中」と語った。昨年12月に採択された安保理決議2397号は、北朝鮮産農産物の直接的・間接的な販売もしくは移転(transfer)を禁じている。これを厳格に解釈すれば、金正恩委員長が贈ったマツタケは「移転」されたものと見ることができる。

  一方、韓国大統領府(青瓦台)が今月初めにミカン200トンを北朝鮮に送った件は、制裁違反ではない可能性が高い-というのが専門家らの説明だ。国連制裁は北朝鮮産の農産物の販売と移転を禁じており、韓国産農産物を送ることは問題ないという。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/30/2018113080010.html

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