意味深なタペストリーの前でスペイン国王と握手した習主席

 スペイン国王フェリペ6世は11月27日(現地時間)、首都マドリード郊外のサルスエラ宮殿で中国の習近平国家主席と会談した。宮殿の接見室で二人は握手を交わし、写真撮影を行ったが、背後の壁に掲げられた絵が奇妙だった。

  この絵は、16世紀のオランダの芸術家ヤコブ・ゲベルス2世とヤン・ラースが共同制作したタペストリー(さまざまな色糸を組み合わせて絵を表現する壁掛けの織物)で、作品名は「友人たちに富を分け与えるアレキサンダー大王」。絵の中で王冠を着けている人物がアレキサンダー大王で、周囲の人物は彼の臣下と、財宝を受け取ろうとする人々だ。

  絵は、アレキサンダー大王が紀元前4世紀にアジア征服戦争(東方遠征)へ乗り出す瞬間を描写したもの。彼は遠征にたつ前、全軍の士気を高めて、自分がいない間のマケドニア国内引き締めのため、金や宝石を側近らに与えて大宴会を催した。アレキサンダー大王は、この東方遠征でシリアやエジプトを征服したのに続き、当時シャー・ハン・シャー(ペルシャ語で『諸王の王』)と呼ばれたダリウス3世のペルシア帝国も滅ぼした。彼はエジプトの地中海都市など征服地の各所に、「アレクサンドリア」という自分の名前を付けた都市を幾つも作ったが、そこにとどまることはなかった。東へ、東へと進撃を続け、インダス川流域まで征服した。10年の遠征で、西はギリシア・エジプトから東はインド北西部に至る大帝国を建設した。こんにち欧州でアレキサンダー大王は、未知の世界だった東方まで制覇した「戦争の英雄」と見なされている。

  スペイン国王は、「アジア征服戦争を控えて宴会を催すアレキサンダー大王」の絵の前で、アジア国家・中国の習主席と笑いながら記念写真を撮ったのだ。習主席は今回の訪問で、中国の一帯一路(陸と海の新シルクロード)構想への参加を要請したが、スペインはこれを拒否した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/30/2018113080019.html

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