強制徴用:三菱重工への賠償命令に日本「極めて遺憾」
【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が29日、日本による植民地時代だった戦時中に三菱重工業で働かされた韓国人被害者が同社を相手取り起こした損害賠償請求訴訟2件の上告審で、いずれも賠償の支払いを命じた二審判決を支持した。大法院は10月末に別の強制徴用訴訟で新日鉄住金に賠償を命じる確定判決を出しており、立て続けの日本企業への賠償命令で韓日関係は一段と冷却化する見通しだ。 29日に判決が言い渡されたのは、戦時中に強制徴用された韓国人被害者が三菱重工に賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審と、三菱重工の軍需工場で重労働を強いられたとして元女子勤労挺身隊員の韓国人被害者や遺族が同社に賠償を請求した訴訟の上告審。 大法院は10月30日、強制徴用被害者が新日鉄住金を相手取った訴訟の判決で「1965年の韓日請求権協定により損害賠償請求権は消滅していない」との判断を示し、今回もこれを踏襲して三菱重工の賠償責任を認めた。日本の河野太郎外相は29日の判決直後、「極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできない」とする談話を発表した。 日本政府は新日鉄住金への賠償命令判決が出て以降、請求権協定で個人請求権問題は解決済みだとして強く反発してきた。 今月21日には韓国政府が旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年の韓日合意に基づき設立された慰安婦被害者支援のための「和解・癒やし財団」の解散を発表し、韓日のあつれきは一段と深まった。 さらに、河野氏が康京和(カン・ギョンファ)外交部長官の訪日の可能性に関し、26日に「(賠償命令判決や和解・癒やし財団の解散などに対する)きちんとした答えを持ってこないかぎり来日されても困る」と発言したと報じられ、波紋を呼んだ。これに対し、韓国外交部の当局者は発言が事実なら不適切だと指摘し、攻防が続いている。 韓国政府は、慰安婦や強制徴用などの歴史問題はそれとして解決を目指す一方、経済や安全保障などでの協力は未来志向で発展させていくという、いわゆる「ツートラック」路線で韓日関係を管理していく考えだ。 外交部の当局者は29日の判決を受け、「司法府の判断を尊重する」としながら「強制労働被害者の傷が癒やされるよう努力する」と述べた。一方で、「未来志向的な韓日関係の発展を希望する」とも強調した。 韓国政府は強制徴用に対する賠償判決について、官民による議論を経て対応をまとめる方針だ。李洛淵(イ・ナクヨン)首相は13日に韓日関係の専門家10人余りと昼食会を行い、意見を聴いた。 日本企業が判決に従い賠償に応じる可能性は低く、専門家の間では韓日両国が出資する財団を設立する案なども出されている。 陳昌洙(チン・チャンス)世宗研究所日本研究センター長は「韓国政府と65年の請求権協定によって恩恵を受けた韓国企業、日本企業がともに資金を出す形が、ある程度妥協可能な案だと思う」と話す。 ただ、韓国側が解決を図れば、賠償を命じられたのは日本企業だとして被害者や世論が反発することも考えられる。陳氏は「国民をどう説得するかが鍵になる」とし、「日本とずっと言い争うわけにはいかず、韓国政府の果敢な決断が必要なときだ」と指摘した。
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/29/2018112980041.html
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