【コラム】IT大国・韓国、グーグルの「データ植民地」になるのか

 今年9月、オランダのアムステルダムでは、国際放送機器展(IBC)が開催された。同イベントで、グーグルは全世界の至る所から詰め掛けた企業家たちを前に、グーグルが誇る音声認識人工知能(AI)「グーグル・アシスタント」が搭載されたテレビ・セットトップボックス用アンドロイドOS(オペレーションシステム)を紹介した。全世界の放送・通信企業を友軍として引き込むため、世界をあっと言わせる提案も忘れなかった。

  グーグルは、自分たちの研究開発(R&D)の成果を集結させたOSを提携企業に無料で配布する、と宣言した。また、アンドロイドを搭載すれば、動画投稿サイト「ユーチューブ」のコンテンツ視聴が容易になるだけではなく、グーグルがディズニーやユニバーサルのような一流企業と交渉し、良質のコンテンツを引き続き供給する用意があると言った。また、グローバル企業の広告まで誘致して、収益を分配すると説明した。カンファレンスルームをいっぱいに埋め尽くした観客たちの間からは、拍手と歓声が湧き起ったという。テレビのセットトップボックスの性能改善とコンテンツの需給、収益性の向上で頭を抱える放送・通信企業としては、まさに慈善行為に近い提案だったからだ。

  しかし、このイベントに参加した韓国国内の有料放送業界の関係者は、危機感を感じざるにはいられなかったという。グーグルがアンドロイドを掲げて全世界のスマートフォン市場を掌握したのに次ぎ、家の中まで握られる日が刻々と迫っているのを身に染みて感じたためだ。サムスン電子やSKテレコム、KT、ネイバーなど国内を代表するIT(情報技術)企業も、グーグルのように人工知能やIoT(物のインターネット)、自律走行車などの未来分野に対する投資を拡大しているものの、人材の質と投資規模から見た場合、グーグルに対抗するにはあまりにも力量不足だ。同関係者は「『0』と『1』のデジタルが支配する世界では、1位が全てのものを占有するのであって、中間は存在しない。結局世界各国の有料放送事業者は、グーグルのために加入者を集める代理店のような立場になり下がってしまう」と懸念をあらわにした。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/29/2018112980011.html

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