「原発は危険」と主張する文大統領、チェコで韓国原発の安全性をPR

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日(現地時間)、チェコでバビシュ首相と会談し、韓国の原発が安全で高い技術力を誇っていることを強調した。文大統領は「韓国では現在24基の原発が稼働しているが、これまで40年にわたり事故は1件も発生していない」「アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発も砂漠という特殊な環境にもかかわらず、追加の費用も発生せず工期も完璧に守っている」などと説明した。

  これに対してバビシュ首相は「UAEのバラカ原発の成功についてはよく知っている。韓国は原発の安全性に関する技術を確保している」と述べた。会談後、韓国大統領府の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官は「両首脳はチェコでの原発建設に向け緊密に協議を続けることで一致した」と伝えた。

  一連の報道を受け野党などからは「韓国国内では『原発は危険』と主張し、脱原発をごり押ししたのに、チェコでは『韓国の原発は安全』と言って原発を売り込もうとしている。完全な自己矛盾だ」などと指摘する声が相次いでいる。保守系野党・自由韓国党の金聖泰(キム・ソンテ)院内代表は29日の非常対策委員会での会合で「『自分は食べないがお前は食べろ』と言って商売をしてはならない」と指摘した。文大統領は政権発足直後の昨年6月「原発は安全でもないし安くもない。環境に優しくもない」と訴え、新規の原発建設を白紙化し、延長稼働中の月城1号機の廃炉も決めた。文大統領は2016年12月、釜山で原発事故を素材にした映画「パンドラ」を観賞した際「涙が止まらなかった」とコメントしている。

  ところが大統領府のある幹部は「われわれが推進するのは脱原発ではなくエネルギー転換政策だ」とした上で「脱原発は現政権の任期中に行われるのではない。現政権は原発が占める割合を下げるだけだ」と主張した。「文大統領が脱原発を宣言したので何度も問題になるのでは」との質問にこの幹部は「脱原発は今すぐできることではなく、また短い期間にできることでもない」「強くお願いしたいが、エネルギー転換政策と表現してほしい」と述べた。しかし原子力関連の業界では「どんな言葉を使っても、最終的に原発産業がなくなるのは同じだ」と反発している。

  一方で文大統領はこの日夜にチェコを出発し、現地時間の29日に20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれるアルゼンチンのブエノスアイレスに到着した。文大統領はG20首脳会議の期間中に米国のトランプ大統領と首脳会談を行う予定だ。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/30/2018113080012.html

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