【コラム】虚像を追う文在寅大統領の危うさ

 一部私立幼稚園での会計不正事件を受け、韓国国会でまるで可決されなければ正義が死ぬかのように「幼稚園3法」(私立学校法、乳児教育法、学校教育法)改正案が大衆の喝采を浴びていた時、ある与党議員から電話があった。

  「私立幼稚園の設立と運営は全て個人の資金で行ってきた。政府の支援金は授業料の負担を軽減するために保護者に支給されるもので、行政の都合上、幼稚園に直接入金しているものだ。幼稚園がそれを別の用途に使ったからといって、不正だと決め付けるのは誤りだ。裁判所では既に無罪判決が出ている。政府が私立幼稚園の会計を全て管理・監督するというのは憲法の中心的価値である自由財産権の侵害に当たる。国民の税金だからという理由で、公務員給与の使途を全て提出しろと言っているに等しい。なぜ韓国メディアはそうした点を追及しないのか」

  まるで野党議員の口から出そうな意見だった。同議員は「地方行政をやってみて、そうした実情は熟知している。党内で私立幼稚園の問題を一方的な視点で見てはならないと話したが、聞こえないふりをしている。これ以上は言えない」とも語った。

  いくつかの基本的な事実を確認しただけでも政策のバランスを取れると主張する彼の声は通じなかったこと。その後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領までもが「最近私立幼稚園をめぐる不正騒動などに国民が強い怒りを覚えている。この際断固とした措置を取るべきだ」と発言した。私立幼稚園長は既得権益勢力なのだから、彼らを攻撃することは正義であり、公益のためならば彼らの私有財産がどうなってもよいという考えが根底にある。

  現政権は事実を追及、確認する手続きを無視する。その先頭に文大統領がいる。どこからかある事柄について聞き及べば、それがすぐに答えになってしまう。これまでの人生経験があり、最高ポストにいるにもかかわらず、そんな単純な思考を持つ大統領にはしばしば驚かされる。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/28/2018122880052.html

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