OLED・メモリーに巨額投資、物量作戦でトップ狙う中国

 中国ディスプレー最大手、京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)は今月初め、重慶市で有機発光ダイオード(OLED)パネル工場「B12」の建設に着手した。465億元(約7590億円)を投資し、2021年までに工場を完成させ、本格生産に入る計画だ。同社のOLEDパネル工場は四川省の成都市、綿陽市に続き3カ所目だ。BOEが3工場につぎ込んだ資金は2兆円を超える。

  3年後に3工場が全て稼働すれば、全体の生産能力は月14万4000枚になる。1枚でスマートフォン用パネル200個を生産できるため、計算上は年3億台分のスマートフォン用パネルを生産可能だ。現在OLEDパネル市場の90%以上を掌握しているサムスンディスプレーに匹敵する規模だ。サムスンには現在新工場の建設計画がない。これまでOLED市場では名刺さえ差し出せなかったBOEが物量作戦で一気にトップメーカーに挑戦状をたたきつけた格好だ。

  中国が物量作戦でOLEDパネル、電気自動車用バッテリー、メモリー半導体など韓国の将来を握る主力産業を丸ごと揺るがしている。10年余り前にサムスンやLGが掌握していた液晶パネル市場を奪われたのと同じ流れだ。巨額投資で生産能力を確保した上で、中国企業に販売し、市場を拡大する方式だ。電子業界関係者は「技術格差が2-3年あるにもかかわらず、中国メーカーが大規模投資を行うのは、中国の内需市場があるためだ。その上、中国政府は国内メーカーに国産部品を購入するよう暗に圧力をかけている」と指摘した。 ■半導体にも巨額投資  BOEが第3のOLED工場を着工したことは、業界で意外視された。今年稼働した成都工場で、スマートフォン用曲面パネルの歩留まり率は10%にとどまったとされる。パネル10枚のうち9枚が不良品という計算だ。来年に稼働予定の第2工場でも不良品問題を解決できていない。現在の歩留まり率では投資回収どころか、発光材料のような高価な材料費も取り戻せない。常識的な経営判断ならば、最初の工場の歩留まりを改善した上で新工場を建設するのだろうが、BOEは3年後に歩留まりの正常化と生産能力拡大を同時に成し遂げ、一気にトップへの躍進を狙う姿勢だ。現在成都工場には韓国出身のエンジニア約100人が勤務しているという。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/28/2018122880047.html

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