【社説】「韓半島の運命が個人の治績に左右されてはならない」

  きのうから2日間の日程で始まった2回目の米朝首脳会談に世界の耳目が集まっている。今回の会談でどのような合意が出るかにより北朝鮮の核の脅威が全て除去され北朝鮮経済開発が本格化し、世界経済にもうひとつの「市場」が新たに登場するか決まるためだ。

  残念ながらまだ両首脳がどのような合意を出すのかなどはすべてベールに包まれている。米国と北朝鮮の実務交渉代表団がハノイで21日から5日間にわたり首脳会談宣言文に含まれる内容をめぐり談判を行ったが、非核化と相応措置に対する見解差は依然続いているという。米ホワイトハウスのボルトン国家安保補佐官がきのう「(首脳会談期間の)2日間に議論することは多い」と話したのを見れば交渉状況を察することができる。多くのことが未確定・不確実な状態で両首脳の「談判」に会談成果を任せなければならない状況になった。儀礼的性格が強い首脳会談の特性に照らしてみると実務会談でやりとりしたこと以上の画期的成果を期待するのは容易ではない。

  長く言うまでもなく米朝会談の最終目標は北朝鮮の完全な非核化で、米国など国際社会は北朝鮮が正常な国として立ち上がれるよう北朝鮮への制裁解除と支援措置を出すことだ。北朝鮮が開発、生産、隠匿している核施設と、武器やミサイルなどを完全に公開・廃棄することが先決課題だ。このため北朝鮮は今回の会談で少なくとも非核化の日程表を出さなければならない。核とミサイル実験を通じ韓半島(朝鮮半島)を戦争の危機に追いやった当事者が北朝鮮であるから結者解之(当事者が解決することの意)の次元からも絶対に必要な手続きだ。

  そうでないことを望むが、聞こえてくる話では兆しは良くない。北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)原子炉、豊渓里(プンゲリ)核実験場などすでに寿命が尽きた一部核施設だけ廃棄したのにそれさえも制裁解除と対等交換をするという主張から退かないという。米トランプ政権も一時押し進めた完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)、最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)など完全な北朝鮮の核除去アジェンダから後退する動きを見せている。寧辺核施設の部分廃棄を終戦宣言(または平和宣言)と連絡事務所の相互開設と交換する「スモールディール」の可能性を流しているのも尋常でない。北朝鮮全域にある秘密高濃縮核施設はそのままにしてこの程度の水準で合意するならば北朝鮮に核保有国の道を開くことになりかねない。

  米ウォールストリートジャーナルは数日前に「国内で政治的窮地に追い込まれているトランプ大統領が『個人的な治績』のために北朝鮮にプレゼントの風呂敷を広げてはならないだろう」と警告した。メディアが遠慮なくそうした懸念を出すほど今回の会談がもう一度の「リアリティーショー」にとどまるという見通しが広がっている。

  だが見通しは見通しにすぎない。結果は今後を見なければならない。巷間提起されている悲観論を払拭させ、北朝鮮の完全な核放棄とこれを基にした韓半島の恒久的平和と繁栄に向けた実質的な土台が今回の会談で用意されることを期待する。

中央日報 https://japanese.joins.com/article/733/250733.html

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