米朝首脳会談:米下院「北の空虚な約束を信じて制裁解除するな」

米議会もマスコミも懸念 元駐英北朝鮮公使「鉄くずになった寧辺の施設を使って金正恩が米にいろいろ要求」

  2回目の米朝首脳会談を目前にして、米国の与野党や国内外の専門家らは懸念の声を上げている。

  エリオット・エンゲル米下院外交委員会委員長は25日(現地時間)、「北朝鮮の空虚な譲歩や中身のないジェスチャー、今後の計画を信じて制裁を解除してやってはならない。実質的な非核化に進展がなければならないし、人権弾圧関連制裁の解除を望むなら、人権に関する実質的な進展があるべきだ」と述べた。チャック・シューマー上院院内総務=民主党=ら上院議員8人も24日、ドナルド・トランプ米大統領に送った書簡で「北朝鮮の核・ミサイル計画を検証可能なようにして凍結し、(非核化の方向に)戻すための順次的過程が(2回目の米朝首脳会談に)含まれなければならない」と言った。ロバート・ゼーリック元世界銀行総裁は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿文で、「これ以上、一般的で甘い対話はダメだ。これからは金正恩(キム・ジョンウン=朝鮮労働党委員長)を具体的な約束で捕らえなければならない」と述べた。

  マスコミ各社も懐疑的な見通しを出している。米NBC放送は同日、「トランプの賭けへの懸念」という記事で、「米当局者や北朝鮮関連専門家の間では、トランプ大統領が得る物に比べて北朝鮮に与える物の方が多くなるのでは、という懸念が増している」と報じた。米紙ワシントン・ポストは「米情報当局の懐疑的な見方があるのにもかかわらず、トランプ大統領は自身の業績のため交渉を推し進め続けている」と書いた。米公共ラジオ局のナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)も「首脳会談前夜も北朝鮮・寧辺の原子炉は稼働しているかもしれない」と伝えた。

  2010年に訪朝し、寧辺の核施設を直接見た世界的な核物理学者ジークフリート・ヘッカー博士は同日の記者会見で、「今回の会談で、北朝鮮の核・ミサイル実験中止を公式化・固定化することが重要だ。北朝鮮の非核化には約10年はかかるだろう」との展望を示した。太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は「金正恩に今一番必要なのはカネだ。金正恩は今回の会談で鉄くずになった寧辺の核施設を『閉鎖する』と言って、米国に制裁を解除せよと要求してくるだろう。金正恩の対韓国戦略は、核保有国としての地位を固めつつ、南北経済協力により現在の難局から抜け出そうというものだ」と語った。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/02/27/2019022780027.html

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