【社説】予想より10年早く韓国に到来した人口減少時代

 今年から年間の死亡者数が新生児数を上回る見通しだという。統計庁が昨日発表した。韓国もついに人口が自然減少する国になるのだ。統計庁はつい3年前まで人口が自然減少に転じる年を2029年と予想していた。ところが予想を上回るペースで少子高齢化が進み、その結果、人口減少が10年も早まったのだ。衝撃的と言わざるを得ない。つい40年前まで年間の新生児数は100万人を超えていたのだが、来年は30万人をも下回る見通しで、2067年には総人口が4000万人にまで減るという。これに対して全人口に65歳以上が占める割合は今の14%から25年には20%、50年には40%にまで一気に上昇する。これは日本よりもはるかに早いペースだ。世界のどの国も経験したことのない人口急変がこの大韓民国で起こりつつあるのだ。

  少子高齢化の影響で国の予算に年金や医療、福祉などの支出が占める割合が増え、若い層が負わされる負担も大きくなっている。生産可能人口の減少で生産と消費が同時に減少し、そうなれば潜在的な成長率も当然下がってくる。少子化対策としてこれまで152兆ウォン(約15兆円)の予算が投入され、数百に上る対策が取られてきた。それでも問題はさらに深刻化している。

  若い世代は結婚をためらい、あるいは結婚してもその年齢が上昇している。また出産も避けている。これらが起こる本当の原因をまずは突き止め、対策に取り組まねばならない。国として少子高齢化に適応する戦略も早急に取りまとめるべきだ。まずは高付加価値の新たな産業を育成できるかどうかが生き残りの鍵だ。人工知能(AI)など第4次産業革命といわれる分野に今からでも全力を投入しなければならない。また一方で高齢者の基準となる年齢を高く見直し、元気な高齢者には雇用を準備し、さらに学校の構造改革などやるべきことは山のように残っている。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/03/29/2019032980029.html

コメント

このブログの人気の投稿

MBNの業務停止効力中断

「19世紀式の自主にかまけた586世代、20?30代の登場が望まれる」

韓国政府の救援隊がラオスに出発 医療スタッフら20人