南北の遺骨共同発掘 4月からの実施困難に=北が応じず
【ソウル聯合ニュース】韓国軍の関係者は31日、北朝鮮と合意した南北非武装地帯(DMZ)内での朝鮮戦争戦死者の遺骨共同発掘について、「まだ北から連絡がない」と述べ、4月1日から韓国単独で軍事境界線の韓国側地域で基礎発掘作業を進める方針を明らかにした。遺骨の共同発掘事業は昨年9月の南北首脳会談の際に署名された軍事分野合意書に基づくもので、4月から実施する計画だった。 韓国側地域で遺骨発掘作業を始めることについて同関係者は「北側が共同発掘に応じればすぐに進められるようにする事前準備との位置づけ」と説明した。 南北は軍事分野合意書に基づき、4月1日から朝鮮戦争の激戦地だったDMZの「矢じり高地」(江原道・鉄原)で同事業を実施する計画だった。2月末までに共同遺骨発掘団の構成を終えて互いに通知することで合意し、韓国側は遺骨発掘団の構成を通知したが、北朝鮮からは回答がない状態だ。韓国国防部は18日、軍事合意の履行を話し合うための軍事会談開催を北朝鮮に提案したが、これに対しても北朝鮮からの回答はない。 北朝鮮側の消極的な姿勢を受け、韓国側はひとまず単独でDMZ内の韓国側地域で遺骨発掘に着手することを決めた。 韓国政府はまた、漢江河口での民間船舶の自由航行についても、南北対話で軍事的保障について合意するまで保留にすることを決定した。政府消息筋は「漢江河口での民間船舶の自由航行に向けても南北協議が必要だが、まだ北から連絡がない」と明らかにした。 金浦市による漢江河口でのテスト航行は4月1日に予定通り実施する。ただ、軍事合意書で指定された「漢江河口自由航行区域」には入らない。 遺骨共同発掘と民間船舶の自由航行は軍事合意で合意書に期限が明記された条項のうち、履行されなかった初の事例となる。 南北は昨年9月軍事合意書を締結して以降、昨年末までにDMZ内の監視所(GP)の試験撤去、軍事境界線上にある板門店の共同警備区域(JSA)の非武装化、漢江河口の共同水路調査など、合意書に明記された事項を忠実に実行した。 だが、2月末の米朝首脳会談を前に北朝鮮が消極的な態度をみせ始めてから、南北の軍事対話は円滑に行われておらず、合意の履行も停滞している。DMZ内の全GPの撤去や黄海への「平和水域」設定を話し合う南北軍事共同委員会の構成、JSAの自由往来といった主な合意事項は実行されていない。北朝鮮は米朝首脳会談が物別れに終わって以降は南北対話に一段と消極的な姿勢を見せており、今後の合意履行も不透明な状況だ。
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/03/31/2019033180023.html
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