韓国軍首脳がF35受領行事出席見送り、北を配慮か

 韓国空軍初のステルス戦闘機F35Aが29日、韓国空軍清州基地に到着した。これで韓国軍は米国・日本などに続き、世界で8番目のステルス戦闘機保有国になった。この日、韓国空軍は飛行団長(准将)の主管で受領式典を開いた。だが、国防部(省に相当)の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官は出席せず、李旺根(イ・ワングン)空軍参謀総長は一時的な出席にとどまった。これをめぐり、韓国軍が北朝鮮の顔色をうかがっているのではないか、という指摘が出ている。

  韓国軍関係者は29日、「きょう午後2時35分ごろ、F35A戦闘機2機を、運用基地である空軍清州基地で無事に受け継いだ」と発表した。韓国空軍初のF35A戦闘機2機は、今月22日(現地時間)に米国メリーランド州ルーク空軍基地を出発し、ハワイなどを経由して計1万3800キロあまりを飛び、清州基地に到着した。米空軍の戦闘機パイロットが、KC135空中給油機から空中給油を受けつつF35Aに乗ってきた、と韓国空軍関係者は伝えた。

  F35Aはステルス能力を基盤として、支援戦力なしに好きな時、好きな場所へ隠密裏に潜入して目標を選んで攻撃できる戦略機だ。最近戦力化された空中給油機と並び、F35Aの配備は韓国空軍の戦術・戦略に画期的変化を呼ぶと期待されている。またF35Aは、そのステルス機能ゆえに、北朝鮮のミサイルを探知・追跡・破壊する作戦概念「戦略標的打撃」(旧キルチェーン)の中心戦力にも挙げられる。

  韓国軍の宿願だったステルス戦闘機はやって来たが、国防相の姿は見当たらなかった。国防部は「鄭長官は4-5月ごろ開かれるはずの戦力化式典に出席する予定。通常、受領式には出席しない」と説明した。また空軍参謀総長は29日、「戦力化現場点検」を理由に同部隊を訪れてF35A受領式に出席した。一部からは「軍首脳部そろって不参加という事態で、参謀総長だけ『責任逃れ』の形で来たのではないか」「北朝鮮の顔色をうかがっている」という批判の声が上がっている。朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』は今年1月、韓国軍のステルス戦闘機配備を批判して「軍事的対決が関係改善の雰囲気をだめにしかねない」と主張した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/03/30/2019033080013.html

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