【噴水台】所得主導成長とコンコルド

  長く付き合い結婚適齢期になった男女がいる。(異論はあるだろうが)一般的なハッピーエンドは結婚だ。決定は容易ではない。いまの相手が最善か、もっと良い相手に会う機会を逃さないか悩みになる。恋愛にかけた時間と努力、世の中に特別な人はいないという思いから別れの代わりに結婚を決心する。

  経済用語で言えば「埋没費用」が「機会費用」に勝ったのだ。機会費用は多様な選択肢のひとつを選ぶためにあきらめて残ったもののうち最善の価値を指す。埋没費用はすでに投じて埋もれたため回収しにくい費用だ。すでにかかった費用を惜しがり、ことをだめにしたりもする。「元手」を考え非合理的選択をする「埋没費用の誤謬」に陥るのだ。

  代表的な例が「コンコルドの誤謬」だ。誤った決定を認めずむしろ正当化して押し進める行動だ。コンコルドは英国とフランスが開発した世界初の超音速旅客機だ。経済性と燃費は落ちるが両国は莫大な財政を注ぎ込んで支援を継続した。政府のプライドが損なわれ失敗を認めなければならない負担感のためだった。2000年の爆発事故で搭乗者全員が死亡した後、2003年に運航を中断した。

&sp; 所得主導成長にしがみついている文在寅(ムン・ジェイン)政権も「コンコルドの誤謬」に陥ったのではないだろうか。今年「所得主導成長」の成果が出るという張夏成(チャン・ハソン)元青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長の言葉が色あせるように1-3月期に韓国経済はマイナス0.3%のマイナス成長となった。世界金融危機から10年ぶりに最悪の成績表だ。

  経済政策方向を修正しなければならないという声にも方向を変える兆しはない。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相はむしろ対外環境のせいにして総力戦を展開すると話した。逆境に対抗することだけが勇気ではない。誤りと失敗を認めて正すのはもっと大きな勇気だ。「所得主導成長」の損切りが必要な時だ。

  ハ・ヒョンオク/金融チーム次長

中央日報 https://japanese.joins.com/article/855/252855.html

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