国内に目を向けるべき投資、海外に逃げる…雇用4万減少

  過去10年間、韓国製造業の海外投資増加率が国内設備投資増加率より2倍以上高かったことが分かった。この期間に製造業部門だけで4万2000余りに達する雇用が減った。外国は自国への海外投資を伸ばしている状況で韓国のみ投資が減っており、企業環境の改善を要求する声に力が加えられるものとみられる。

  全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院が27日、2009年から昨年まで国内外投資の流れを分析した結果、製造業の海外投資増加速度が国内設備投資の2.7倍に達したことが明らかになった。製造業の国内設備投資の規模は2009年99兆7000億ウォンから昨年156兆6000億ウォンへと年平均5.1%増えた。同期間における製造業の海外直接投資は51億8000万ドル(約5600憶円)から163億6000万ドルに拡大した。年平均13.6%増えたわけだ。

  このような雰囲気は今年も続く見込みだ。国内設備投資増加率は昨年2016年以降再びマイナス(-1.6%)に転じ、今年第1四半期も16.1%減少した。2009年第1四半期(-19.4%)以降最低値だ。一方、韓国企業の海外投資は着実に増加している。先月、ロッテケミカルは米国でサッカー場152個の大きさの化学工場竣工式を開いた。事業費だけで計3兆7000億ウォン(約3400億円)程度が投じられた。

  韓国経済研究院のホン・ソンイル経済政策チーム長は「昨年CJ第一製糖、今年にはロッテグループなどが米国に大きな投資をしたため、製造業の海外直接投資規模は今年も大幅に増えるだろう」とし、「最低賃金の急激な引き上げ、法人税率の引き上げなど国内投資環境が良くない状況で、企業の立場では製造原価を下げられる海外への投資誘因が大きくなるほかはない」と分析した。

  製造業の海外直接投資が増えることで雇用流出も大きく増加した。昨年韓国に対する外国人直接投資(171億1000万ドル)金額の中で製造業部門は69億8000万ドル(約8兆ウォン)だったが、外国に対する海外直接投資(497億 8000万ドル)金額の中で製造業部門は163億6000万ドルを記録した。韓国経済研究院は昨年まで直接投資の純流出により製造業部門だけで直間接的な影響で4万2000の雇用が減ったと分析した。

  韓国と経済規模が似ている他の国では見当たらないことだ。2017年を基準に韓国と国内総生産(GDP)が類似したイタリア、カナダ、オーストラリア、スペインと比較した結果、GDPに比べて国内に入る外国人投資の割合が減少した国は韓国(1.0p→0.9p)だけだった。スペイン(0.9p→3.1p)、オーストラリア(3.1p→4.0p)などが大きく増加し、カナダ、イタリアもそれぞれ0.6p、0.3p増加した。

  外国人投資に対する国内の厳しい規制が原因の中の一つとされている。OECDの「外国人直接投資(FDI)規制指数」によると、韓国は昨年0.135点を得てOECD加盟国36カ国(平均0.065)の中で31位だ。該当指数は外国人の持分制限、外国人投資に対する差別的審査・事前承認制度の有無、役員の国籍制限など外国人投資に関連した制度を国別に評価したもので、点数が1に近いほど規制強度が強いという意味だ。

  ホン・チーム長は「最近、韓国企業の海外投資の中で特に米国の割合が増えた理由はグローバルトレンドである保護貿易障壁の拡大のため」とし「例えば、米国が人件費は高いが、ユーティリティ費用(電力・水道など)や法人税の減免など企業投資に対する優遇を増やしており、韓国企業の投資金を急速に吸収している」と説明した。

中央日報 https://japanese.joins.com/article/932/254932.html

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