韓米首脳会談に合わせて韓国大統領府前で反米集会、裁判所が許可

 韓国警察は、米国のドナルド・トランプ大統領の訪韓スケジュールを考慮し、左派系市民団体が韓国大統領府(青瓦台)前で開催を予定していた集会を制限したが、裁判所が再びこの集会を許可した。

  ソウル行政裁判所行政6部(裁判長:李聖鎔〈イ・ソンヨン〉部長判事)は28日、「平和と統一を開く人々」(平統サ)という団体が行った「警察の集会禁止処分を取り消して欲しい」という仮処分申請を認めた。これにより同団体は、大統領府で韓米首脳会談が開かれる30日、大統領の南側100メートルの地点にある「サランチェ」まで行進する集会を開くことができるようになった。

  平統サは今月4日、トランプ大統領の訪韓スケジュールに合わせて米国政府に朝米対話を求め、大統領府前まで「三歩一拝行進」したいと警察へ申請した。これに対し鍾路警察署は「2017年にトランプ大統領が訪韓したとき、ミネラルウォーターのボトルを投げつける事件が数件発生した。再発した場合、国際社会の非難や国益の損失などが懸念される」として集会制限を通知した。ところが28日、裁判所は「『どこ』で自分が計画した集会を行うか誰もが自由に決定できてこそ、集会の自由が効果的に保証される」として、平統サ側の肩を持った。

  28日も終日、ソウル都心ではトランプ訪韓への賛否をめぐり集会が相次いだ。平統サは28日も鍾路区の外交部(省に相当)庁舎前で北朝鮮制裁反対集会を開き、「(米国が)北朝鮮に先行非核化を要求して朝米関係は膠着状態に陥った」と主張した。一方、「大韓民国自由保守右派団体歓迎委員会」は光化門広場で記者会見を開き、「みんな星条旗を持って出てトランプ大統領を歓迎しよう」と語った。

  29-30日には、ソウル都心一帯だけでもおよそ100団体、1万人あまりが集会・行進を実施する。29日、ソウル市庁前広場では左派系諸団体が2000人を集めて集会を開く。同日、右派陣営では「ウリ共和党」がソウル駅に党員およそ5000人を集め、「太極旗(韓国の国旗)集会」を開く。このほかにも二日間、都心各所で左右両派の団体による集会が申請されている。

  こうした状況は、2017年11月のトランプ大統領初訪韓時と似ている。当時は、トランプ大統領の乗った車がデモ隊の投げつけたゴミを避け、中央線を越えて500メートルほど反対車線を走るという事態も繰り広げられた。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/06/29/2019062980013.html

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