1日だけ審問して…船員3人を北朝鮮に送還

身柄を確保してから37時間で引き渡し

  韓国政府は27日夜、東海の北方限界線(NLL)を越えて南下してきた北朝鮮の小型副業船(軍用と漁業用を兼任する船舶)と乗組員3人を北朝鮮に引き渡した。韓国政府が29日に発表した。最初に発見してからわずか40時間あまりで送還したことになる。問題の船舶には発見当時、白い布が掛かっていたため、帰順の意志がある可能性も指摘されていたが、韓国軍当局によると、乗組員らはこれを否定したという。

  合同参謀本部によると、韓国海洋警察庁は29日午後3時31分ごろ、海上で船舶と乗組員の北朝鮮側への引き渡しを完了したという。乗組員らの身柄を確保してからおよそ37時間後だった。犯罪容疑や帰順の意志などを総合的に判断するため、今回のようなケースだと通常は長くて1週間以上は合同の事情聴取が行われるが、これがわずか1日で終わったのだ。先月の「三陟港木造船入港事件」では3日で一部乗組員を送還したが、今回はそれよりもさらに事情聴取が早く終わった。

  韓国統一部(省に相当)の李相旻(イ・サンミン)報道官は会見で「送還が非常に急がれた」との指摘に「最も重要なことは、人道的な見地に基づく北朝鮮住民の自由意志だ」「状況や事例により送還までにかかる期間は当然異なる」などと説明した。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、北朝鮮船舶や乗組員がNLLを越えて送還された事例は、分かっているだけで10回以上になる。韓国政府は当初、発見から通常4-7日で送還の手続きを終わらせてきたが、昨年9月に平壌で南北首脳会談が開催されて以降はその期間が2-3日へと短くなった。

  一方で韓国軍当局は副業船発見当時、マストに掛かっていた白い布について「大型船舶との衝突予防のため、出港のときから通常通り設置されたものだと乗組員たちが陳述した」と説明した。韓国軍は乗組員3人のうち1人が軍服を着用していたことについて「市場で生地を購入し、裁断・着用したものとの説明があった」「乗組員に軍人はいなかった」と明らかにした。

  韓国軍は問題の副業船がNLLを越えたことについて「錯覚」が理由だったとも説明した。いか漁の操業中に位置を錯覚し、航路を間違えたということだ。韓国軍がこの副業船を発見した当時、周辺に別の船舶がいなかった理由についても「航路の間違いで操業の位置から外れたからだったことを確認した」「この船舶にGPS(衛星利用測位システム)はなく、羅針盤だけで移動していた」とも明らかにした。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/30/2019073080013.html

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