【コラム】韓日「経済戦争」究極的目的は何か

  日本が来月2日に閣議を開き、韓国を「ホワイト国」から除外する可能性があるという。そうなると韓国企業は品目ごとに輸出許可を受けなければならない。制裁対象が3品目から1000品目以上に拡大し、韓日企業の技術協力に対しても許可を受けなければならない。韓日「経済戦争」が本格化すれば日本も被害を受けるが、韓国がさらに大きな被害を受ける。この問題を解決するには交渉論で教える原則に従う必要がある。

  「交渉論基礎」で教える最も重要な原則のひとつは、立場(Position)の裏に隠れている究極的目的(Interests)を確認し交渉しろということだ。立場を基に交渉すれば答は出ないが、究極的目的を基に交渉すれば両者の目的を満たせる対案を見つけられるということだ。

  韓日対立を賢明に解決するには、両国だけでなく主要関連国の米国と中国の立場の裏に隠れている究極的目的が何かを正確に把握しなければならない。それを基に両国が真に望むものをすべて満たせる対案を見つけなければならない。韓国政府の立場は明確だ。日本が植民支配自体が違法という事実を認め、違法行為によって被害を受けた人たちに賠償しろということだ。1965年の韓日協定では民事上の損害だけ取り上げたもののため、違法支配にともなう刑事上の責任はまだ残っており、日本が韓国大法院(最高裁)の判決を尊重しなければ経済戦争も辞さないということだ。

  ところが経済戦争をしてでも韓国政府が得ようとしているものが何かは明確に見えない。日本が植民支配を違法だと自認させることで道徳的優位を得ようということなのか、植民支配に対する賠償金を最大限受け取り植民支配で被害を受けた人たちの損害を賠償して恨みを晴らそうということなのか、そうでなければ別の奥深い目的があるのか推し量るのが難しい。

  韓国政府が日本との関係を通じて究極的に得ようとしているものが何かも明確でない。「韓日米三角同盟」を強固にし、韓国を守って経済発展を成し遂げることが目的かもしれず、三角共助を壊して中国と同盟を結び統一を繰り上げるということが目的かもしれない。

  日本政府は植民支配の違法性を認め被害者に賠償しろという韓国政府の要求は受け入れ難いという。植民支配の違法性を認めたこともなく賠償したこともない英国、フランス、ドイツ、スペインなど国際社会の非難を受けかねない。植民支配の被害を賠償し始めれば韓国だけでなく、台湾、フィリピン、ベトナム、ミャンマーなど他の国の被害者にも賠償しなければならない。賠償金額を支払いきれず、政府与党の再執権の可能性も大きく落ちるためだ。韓国政府が日本が受け入れることのできない提案をし、それを受け入れなければ日本が始めた経済制裁に対抗して戦争も辞さないというのを見ると、韓国は三角同盟を強化するという意図はないものとみられる。

  日本の立場はよく知られている。植民支配の違法性は認定できず、韓日協定で強制徴用被害者に対する請求権問題は解決されたと主張する。韓国大法院の判決も受け入れることはできず、韓日協定に対する両国間の解釈差を解決するために韓日協定で約束した通り仲裁に行こうというものだ。韓国政府がこれを受け入れなければ経済制裁を通じて韓国に苦痛を与えるということだ。

  この問題と関連し日本が真に望むことは、日本軍慰安婦、強制徴用、植民支配の正当性などの問題は韓日協定と過去数回の謝罪で解決されたので過去問題でこれ以上争うことはやめようというものとみられる。韓国が非メモリー半導体産業などを育てることを防ぐためのものという解釈もあるがそのようではない。日本がそうした産業を育てようとしておらず、韓国でそのような産業が成長すれば日本は素材、部品、装備を韓国にさらに多く売れるためだ。

【コラム】韓日「経済戦争」究極的目的は何か(2)



中央日報 https://japanese.joins.com/article/090/256090.html

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