盧武鉉元大統領嘲弄写真を掲載した教学社に「嫌疑なし」

 ソウル麻浦警察署は29日、故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領を侮辱する合成写真を受験用の教材に掲載した容疑(死者名誉毀損〈きそん〉)で告訴された教学社の関係者について、「嫌疑なし」として検察に送致したと明らかにした。

  教学社は今年3月に発行した韓国史能力検定試験最新基本書の中で、KBSドラマ『推奴~チュノ~』のある場面の写真を資料として掲載したが、この写真は極右のネットサイト会員が盧元大統領の顔をドラマに出てくる奴婢(ぬひ)の体と合成させた写真だった。後からこの事実を知った教学社は「編集者の単純なミス」として謝罪し、配布された教材を全て回収し廃棄した。編集担当者は懲戒処分を受け退社した。

  ところが盧元大統領の息子・ゴンホ氏(46)が「盧元大統領の名誉を傷つけ、遺族を侮辱した」との理由で教学社のヤン・ジンオ社長と編集担当者を告訴した。ゴンホ氏は「単なるミスという弁明は到底理解できない」という内容の訴状を検察に提出した。

  警察の関係者は不起訴とした理由について「死者名誉毀損は虚偽の事実に基づいた場合に適用が可能だが、教学社の合成写真は事実か虚偽かを明確にする性格のものではない」「侮辱罪は故人に対する行為に適用される行為ではない」と説明した。

  この事件については今回の刑事訴訟とは別に、2件の損害賠償訴訟が進められている。ゴンホ氏は教学社に10億ウォン(約9200万円)を請求する訴えを起こし、盧武鉉財団も盧元大統領の支持者1万7264人と共に、1人当たり10万ウォン(約9200円)の慰謝料を請求した。支払総額は17億2650万ウォン(約1億5854万円)に上る。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/30/2019073080036.html

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