7人の生命を救い天に召された全校1位の中学3年生 /釜山

事故で脳死判定を受けたイム・ホンテ君 心臓など七つの臓器と皮膚を提供

  秋夕(中秋節)連休最終日だった今月15日未明、釜山大学前交差点で中学3年生のイム・ホンテ君(15)が運転していたオートバイが左折してきたタクシーと衝突した。救急車の中で心肺停止状態となり、心臓は蘇生はしたものの左脳は手術後も回復しなかった。脳死状態のまま状態は悪化し、19日に撮影したCT(コンピューター断層撮影)でも脳死判定に変わりはなかった。

  息子の臓器提供を決心した父のイム・ソンフンさん(44)は「良いことをして生きてきたホンテだ。最後まで良いことをしてから逝ってほしい」と語った。事故から6日後、ホンテ君は心臓、肺、肝臓、膵臓(すいぞう)、左右の腎臓などを提供し7人の生命を生かしてからこの世を去った。皮膚も100人以上に提供した。

  イムさんは「まだ中学3年生、15歳の愛する息子を送り出さねばならないが、他の誰かを生かし、その体の中でもう一度生きていることを信じて過ごしていきたい」「愛しているという言葉をたくさんかけてやれなかったことが、今になって悔やまれる」と口にした。

  ホンテ君は1男1女の長男として生まれた。学校では常に成績1位を争うほどの優等生だったが、格闘技選手だった父にも似てサッカーなどのスポーツにも優れた才能を持っていた。ホンテ君は日頃「夢は検事になること」と周囲に語っていたという。秋夕には家族と生まれ故郷の慶尚南道密陽市に行き、友人たちと夜遅くまで談笑し楽しんでいたが「家が遠い友人を送ってくる」と言って先輩のオートバイを借りたときに事故に遭った。

  韓国臓器寄贈院のチョ・ウォンヒョン院長は「ホンテ君を送り出す悲しみを乗り越え、尊い生命を実際に分かち合ってくれた家族の皆さんに感謝の思いを伝えたい」と述べた。チョ院長は「臓器の提供も組織の提供もどちらも簡単に決心できるものではない」とした上で「ホンテ君の名前を誰もが覚えてほしい」呼び掛けた。ホンテ君は23日に家族や友人ら50人以上が見守る中、釜山追慕公園に埋葬された。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/09/27/2019092780123.html

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