「私は影の実力者ではない」崔順実被告が差し戻し審出廷

 朴槿恵(パク・クンヘ)政権下での国政介入事件の差し戻し審の初公判が30日、ソウル高裁で開かれ、崔順実(チェ・スンシル)被告=写真=は「私は決して影の実力者ではない」と述べ、酌量を求めた。崔被告が出廷したのは昨年8月の控訴審で懲役20年を言い渡されて以来1年2カ月ぶりだ。

  黄緑色のジャケット姿で出廷した崔被告は発言機会を得て、「過去20年間、幼稚園を運営し、朴槿恵前大統領のプライベートなことを助けてきただけで、いかなる企業も知らないと天に誓うことができる。捜査当時の『協力しなければ三族(父系、母系、姻戚の総称)を滅ぼす』という検事の言葉が現実になった」とした上で、「幼い娘や孫が一生傷つく状況の悔しさを晴らしてほしい」と訴えた。

  崔被告はまた、朴前大統領と共謀していない点を立証したいとして、朴前大統領、娘のチョン・ユラ氏、JTBCの孫石熙(ソン・ソクヒ)社長などを証人として申請した。これに先立ち、大法院は二審の判断の大半を認めたものの、崔被告の強要罪の一部を無罪とすべきだという趣旨で審理をソウル高裁に差し戻した。

  公判当日は娘、チョン・ユラ氏の誕生日だったという。崔被告は第3子を出産した娘に「バースデーケーキでも送ってほしい」と弁護人に依頼したという。崔被告は拘置所で3人目の孫が生まれたことを聞き、「娘はまだ22歳で子供が3人いて、(何もしてやれずに)もどかしい」という反応だったという。

  一方、崔被告のイ・ギョンジェ弁護士は、2017年3月に朴前大統領が弾劾され、今年8月に大法院判決が下された点に言及し、「現政権の表現に従えば、違法事実が確認されてもいない段階で弾劾となり、順序が逆転した状況だ」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領がチョ・グク前法務部長官の任命理由として、「明らかな違法行為が確認されていない」と述べた点を皮肉ったと言える。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/10/31/2019103180010.html

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