無差別殺人犯に45年、過去最長の有期懲役刑=ソウル南部地裁

 無差別殺人で数時間以内に2人を殺害したとして起訴された中国籍の同胞(朝鮮族)の男、K被告(31)に対し、ソウル南部地裁は28日、懲役45年を言い渡した。死刑、無期懲役刑を除き、有期懲役刑では過去最長となる。韓国の有期懲役の上限は30年だが、加重処罰で法的には最長で50年までの懲役刑を言い渡すことができる。

  これまではホストバーで働いていた男が客の女性(34)を殺害し、395万ウォン(約37万円)を奪い、女性の遺体を忠清北道永同郡の集落に遺棄したとして起訴された事件で、2015年に下された懲役42年が最長となっている。

  K被告は今年5月14日午後11時半ごろ、自身が生活していたソウル市衿川区の「考試院(コシウォン)」と呼ばれる簡易宿泊施設から約300メートル離れた建物の屋上で飲酒していた際、たばこを吸おうとして屋上に来た会社員Bさん(32)とトラブルになり、Bさんを凶器で刺して殺害した。警察によるその後の調べで、それから約5時間前の午後6時50分ごろには、K被告と同じ考試院で生活していた50代の中国籍の同胞を数回にわたって刺し、殺害していたことが分かった。

  ソウル南部地裁は「2人の生命を奪っており、厳しい処罰が必要だ。長期間隔離し、社会の安全を守るとともに、被害者の感情にも配慮する必要がある」と判決理由を説明した。その上で、K被告が最初の殺人後に凶器を新たに購入し、警察の取り調べで「誰でもいいから殺そうとした」と供述したとも指摘した。

  ただ、同地裁は「精神的障害が犯行の原因と認められる」とし、量刑を軽減した。地裁によると、K被告の精神鑑定を依頼された公州治療看護所は、K被告が「明らかではない統合失調症を患っている」との結論を示し、「被害意識にとらわれ、妄想から犯行に及んだ可能性がある」との診断を示した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/11/29/2019112980006.html

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