民主研究院が志願制を主張…韓国与党は慎重論・野党は「ポピュリズム」

 韓国与党「共に民主党」(民主党)のシンクタンク「民主研究院」は7日、「志願制は人口絶壁時代において兵役資源確保のための避けられない選択」という政策ブリーフィング資料を出し、志願制導入の公論化へと本格的に乗り出した。総選挙を5カ月後に控える中で与党側から志願制導入論が浮上するや、野党側は「安全保障問題まで総選挙用に活用するのか」と批判した。

  民主研究院は7日、「2025年から韓国軍が徴集する人員が不足し、徴兵制を維持できないという現実」があるとして、「計画通り50万の軍(下士官・兵30万)および兵の服務期間18カ月を維持しても、兵役資源の確保そのものが不可能」と、志願制への転換の必要性を主張した。専門兵士制の導入による20代男性の雇用創出効果も強調した。

  これに対し、民主党総選企画団の委員を務めるチャン・ギョンテ全国青年委員長は「青年・大学生委員会は志願制を支持する立場なので、総選企画団で公約として扱う考え」だと語った。これとは別に、民主党全国青年・大学生委員会は7日、声明を出して「2泊3日の予備役訓練費を3万2000ウォン(現在のレートで約3010円、以下同じ)から7万2500ウォン(約6830円)に上げ、20代にふさわしい補償が伴うようにすべき」と主張した。

  しかし民主党指導部と韓国政府は、志願制を総選挙の公約として掲げることには慎重な立場を示した。李仁栄(イ・インヨン)民主党院内代表は「整理されていない話で、公式に(研究院と)話をしたことはない」と語った。党政策委の関係者は「総選挙公約とするには、物理的な時間や予算の問題など考慮すべき要素が多い」と語った。国防部(省に相当)の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官は、国会国防委に出席して「志願制について検討したことはない」として、「国民の合意を得るべき部分で、長期的観点から準備しなければならない」と答弁した。

  これに対し、保守系最大野党「自由韓国党」の金明淵(キム・ミョンヨン)首席スポークスマンは「背を向けられた20代30代の票がいくら緊要でも、国家安保と引き換えにする発想は最悪の『ポピュリズム』」と語った。野党「正しい未来党」のユ・スンミン議員は「総選挙を控えてそういうアイデアが出るのは衝撃的」だとして、「ある人は軍隊に行き、ある人は行かないというのは公正ではない」と語った。反面、革新系野党「正義党」の尹昭夏(ユン・ソハ)院内代表は「公論化の過程を踏むことを提案する」と語った。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/11/08/2019110880001.html

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