来年の輸出 プラス転換期待も懸念材料は依然=韓国

【ソウル聯合ニュース】2020年の韓国の輸出は、19年に振るわなかった半導体と自動車が上向き、1~3月期中にもプラス転換すると見込まれる。ただ、世界経済の先行き不透明感が続く上、前年の不振の反動増も一定程度あり、韓国の輸出が完全に持ち直すかは楽観できない。そのため政府は海外マーケティングや貿易金融関連の大幅な予算増額など、輸出活性化に総力を挙げる。 ◇輸出のプラス転換を予想 半導体・車が回復へ  月別の輸出額は18年12月以降、連続で前年同月比マイナスとなっている。だが今月26日現在の政府と貿易関連機関の予想では、20年1~3月期中にプラスに転じる可能性が高い。  産業通商資源部は今月1日に19年11月の輸出入動向を発表した際、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題などによる世界経済の不透明感が薄れ、半導体価格の回復、韓国企業が受注した船舶の引き渡し本格化などが追い風となった場合、来年1~3月期には輸出のプラス転換もあり得ると見込んだ。  貿易関連機関は来年の輸出増加率を3%台とみている。韓国貿易協会は11月28日に公表した資料で、20年の輸出額が約5610億ドル(約61兆3730億円)で前年比3.3%増加すると予想した。輸入額は3.2%増の5220億ドル、貿易額は1兆830億ドルになるとした。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)も今月18日、来年の輸出額が約3%伸び、5500億ドルを上回るとの見通しを示した。  品目別にみると、今年低調だった半導体市況が来年は回復すると予想されている。貿易協会は、DRAM、NAND型フラッシュメモリーといったメモリー在庫の正常化やデータセンターでの需要の回復、第5世代(5G)移動通信システム導入の拡大などを背景に価格上昇が期待され、輸出が10%程度増加すると見込んだ。  自動車・自動車部品はスポーツタイプ多目的車(SUV)とエコカーを中心にした新車効果で、米市場での善戦が予想される。  KOTRAも一般機械や船舶、半導体の輸出が増加するとみている。  輸出先別では、日本以外のほとんどの地域が増加する見通し。主要輸出先の中国(2.1%増)と欧州(5.7%増)、北米(4.2%増)だけでなく、東南アジア諸国連合(ASEAN、3.5%増)やインド(8.1%増)、中南米(1.1%増)、中東(3.1%増)など新市場向けもプラスが期待される。その半面、日本向け(1.4%減)はマイナスになりそうだ。 ◇輸出活性化へ積極的な貿易政策  政府は輸出を必ずプラス転換させようと、政策面で支援に注力する構え。20年度(1~12月)の予算のうち貿易金融と輸出マーケティング部門を大幅に拡充した。貿易金融の予算は19年の350億ウォン(約33億円)から来年は2960億ウォンに、8.5倍に増加。保護貿易主義に伴い急増している貿易紛争に効果的に対応するための予算も2.5倍の234億ウォンとした。  KOTRAは来年、輸出構造の転換と支援体系の高度化により中小・中堅企業の海外進出と雇用創出を導く事業戦略を推進すると表明している。輸出支援対象の企業数を今年の2万社から来年は3万社に増やす。個別の支援を強化することで輸出企業の数自体を10万社以上に、中小・中堅企業の平均輸出額を220万ドルに引き上げることも目標に掲げた。 ◇輸出管理巡る韓日対立の行方は?  一方、来年の貿易環境は改善に向かうと見込まれる。貿易摩擦が激化していた米国と中国はようやく、「第1段階」の部分合意にこぎつけた。韓国の貿易にとって最大の悪材料の一つとなっていた日本との輸出管理問題も、解決の糸口を探ろうと双方が動き出した。  日本が今年7月、半導体・ディスプレー材料3品目の対韓輸出規制を強化したことから互いの対抗措置が続き、対立がエスカレート。韓国は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を通告した。  だが、協定の期限切れ直前で韓国は終了の延期を発表し、失効は回避された。これに伴い韓日は対話の場を設けることで一致し、両国の貿易当局は今月16日に東京で、3年半ぶりに輸出管理に関する局長級の政策対話を開いた。22日には中国・北京での韓中日経済貿易担当相会談を機に韓日の担当相が歓談した。  また、韓日首脳会談を控えていた20日、日本は7月に輸出規制を強化した3品目のうちレジストを個別許可から特定包括許可の対象に変更した。  24日に中国・成都で2国間会談に臨んだ韓日首脳は輸出規制問題も取り上げた。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は日本の輸出規制措置を「7月1日以前の状態に速やかに戻されなければならない」としながら、日本の安倍晋三首相に関心と決断を求めた。安倍氏は両国間の輸出管理に関する政策対話が有益に進められたと聞いているとし、輸出当局間の対話を通じて解決するとの姿勢を示した。  輸出規制解除の時期に関する言及はなかったものの、両首脳は貿易当局間の対話を通じて解決策を模索することで一致した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/26/2019122680145.html

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