「静かなクリスマス」にも気を緩めず 北の状況注視=韓国大統領府
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が米国に「プレゼント」を贈ると挑発の可能性をほのめかしていたクリスマスが特に何事もなく過ぎたが、北朝鮮はいつでも挑発に踏み切る態勢を整えており、韓国青瓦台(大統領府)は気を緩めていない。 青瓦台の関係者は26日、聯合ニュースの取材に「北の挑発がなかったからといって、安堵(あんど)したりする雰囲気ではない。年末、年明けまで慎重に状況を見守る」と伝えた。 北朝鮮がクリスマスを静かに過ごしたことを巡り、青瓦台の周辺には文在寅(ムン・ジェイン)大統領が23日の韓中首脳会談で北朝鮮に挑発自制を遠回しに呼び掛けたことも影響したとの見方がある。 文大統領と中国の習近平国家主席は会談で、米朝対話の勢いを維持すべきとの認識で一致した。北朝鮮への影響力を持つ中国までもが軍事的挑発に懸念を示した形で、北朝鮮としてもクリスマスに挑発を強行することに負担を感じた可能性がある。 青瓦台の一部には、北朝鮮が即座に挑発に踏み切る確率は高くないと見る向きもある。路線の変更を表明しないまま大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射などで「レッドライン」を越えれば、トランプ米大統領を刺激しかねず、状況を収拾できないほど悪化させる恐れがあるためだ。 こうしたことから、文大統領と青瓦台は数日中に開かれる見通しの朝鮮労働党の中央委員会総会の結果と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の「新年の辞」が出るまで、北朝鮮の状況を一層注視せざるを得ない。 北朝鮮が路線変更を宣言した上で挑発を強行する可能性はいくらでもあるため、文大統領は状況の悪化を防ぎ、北朝鮮を交渉テーブルに導くための外交策を模索するとみられる。 これに関し、文大統領と習主席が会談で、中国とロシアが先ごろ国連安全保障理事会に提出した北朝鮮への制裁の一部緩和を求める決議案を巡って意見交換したことは注目に値する。北朝鮮が最も関心を寄せる制裁緩和に関する問題を韓中が協議できることを示したもので、北朝鮮を対話の場に誘導する効果をもたらすと解釈することもできる。 文大統領は26日までに評論サイト「プロジェクト・シンジケート」に寄稿した文章でも、「北が真剣に非核化を実践していくなら、国際社会もこれに相応する姿を見せるべきだ」と、制裁緩和の必要性に遠回しに言及した。 この先、文大統領が北朝鮮を再び非核化交渉のテーブルに着かせるための案を巡り、積極的に米国の説得に努めるとの観測もある。年末年始にトランプ大統領と電話会談などの形で対話する可能性もありそうだ。
朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/26/2019122680164.html
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