大量出国を見せたくない中国「チャーター機1機だけ夜に来い」

 中国・湖北省武漢市に向かわせる韓国のチャーター機をめぐって30日に一日中、繰り広げられた「大混乱」は、中国側の非協力的な態度が根本的な原因だ。しかし、韓国外交当局の交渉力も落第点だという指摘もある。

  韓国政府は28日、丁世均(チョン・セギュン)首相主宰で関係部処長官会議を開いた後、「30日と31日の二日間で武漢にチャーター機4機を向かわせることを決定、中国政府と協議を進めている」と発表した。翌29日、駐武漢韓国総領事館はチャーター機搭乗対象者たちに「30日午後3時と午後5時に出発する飛行機に搭乗することになったので、午前10時45分までに集合せよ」と告知した。ところが、出発当日の30日午前1時ごろ、総領事館は緊急告知で集合を取り消した。「中国側の許可遅延」が理由だった。現地韓国人滞在者たちは訳も分からないまま帰国が取り消されるのではないかという不安に駆られた。

  このような事態になった背景について、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は30日昼12時ごろ行われた部処合同記者会見で、「29日夜、中国が『まず1機の運航だけ承認する予定だ』と通知してきた」と述べた。中国側は「とにかく深夜にフライトを組め」という要求もしていたという。中国側がチャーター機の武漢空港利用を最終的に承認したのは30日午後5時になってからのことだった。

  英国も30日、武漢にいる英国人約200人をチャーター機で帰国させる予定だったが、前日突然、中国側の不許可通知を受けて取り消した。英外務省報道官は29日(現地時間)、中国側の決定を発表した上で、「ほかの国々の飛行機も予定通り離陸していない」と明らかにした。

  日本でも当初、28日午前にチャーター機2機を武漢に向かわせて自国民約600人を一度に帰国させる予定だった。だが、出発直前に中国側の許可遅延により出発が先送りされ、28日夜遅くになってようやくチャーター機1機だけを行かせ、まず206人を帰国させた。チャーター機1機で自国民を連れ戻してきた米国も、中国側から同様の扱いを受けていたという。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/01/31/2020013180008.html

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