【社説】武漢肺炎、2次・3次感染を引き起こしたMERSの失敗を繰り返すな

 武漢肺炎が、中国国内のみならず世界へ急速に拡大している。中国だけでも、27日現在で2700人を超える確定患者が発生している。韓国国内でも、27日現在で既に4番目の患者が出ており、国民が不安になっている。1番目、2番目の患者は、空港で入国の際に症状が確認され、事実上隔離されたケースだ。しかし3番目の患者は、入国後2日たって症状が現れたにもかかわらず3日間レストラン・病院・ホテルなどを回った後、確定患者の判定を受けた。4番目の患者もまた、入国後に高熱の症状が出て2カ所の病院を訪れたが隔離されず、26日にようやく隔離され、27日に確定患者の判定を受けた。

  中国は武漢発の航空機・列車を止め、武漢を通過する道路を封鎖するという極端な措置を取った。上海・西安なども都市間バスの運行を中断させた。しかし今月23日に武漢が封鎖される前に武漢を離れた人は、既に500万人に上る-という報道もなされている。そのうち6000人が韓国へ向かったというビッグデータ分析もある。武漢に滞在したり、あるいは旅行したりしていた人の相当数が、既に韓国に戻っている可能性が高い。こうした人々の中から、さらに発病者が出てくると考えるべきだ。防疫当局と医療機関は、最悪の状況まで想定して対処しなければならない。

  何より、2次感染を防がなければならない。死者38人を出した2015年の中東呼吸器症候群(MERS)の場合、地方病院に入院していた1番目の患者が院外の店にまでたびたび出入りしていたのに、当局が防疫の範囲を患者の病室に局限したせいで、この病院だけでも30人の2次感染者が出た。こうして2次、3次感染の形で拡大し始めたら、食い止めることはできない。武漢または中国を訪問したり、そういう人々と接触した人の間で発熱など異常な症状が現れた場合は、病院を訪れる前にまず感染症の通報を受け付ける1339番に電話して知らせ、調査を受けるよう広報しなければならない。なまじ解熱剤を服用して周囲と接触し、まき散らして回ることがないようにすべきだ。病院やクリニックなども、疑わしい患者を早い段階でふるい分け、隔離するシステムを備えなければならない。一般国民も、やり過ぎかと思うほどひんぱんに手を洗い、くしゃみはハンカチやテッシュ、さもなくば衣服の袖を使ってでも防ぐという衛生マナーを守らなければならない。

  MERSの際は防疫当局が、MERSの伝播(でんぱ)力は弱いと強調していながら関連情報を速やかに公開せず、病院の保護にばかり気を使っているという疑念を呼んだ。中国当局も、武漢で昨年末から正体不明の病気の患者が発生し始めているのにこれを隠し、非常対策をぐずぐずしていて手の付けられない状況を招いた。韓国国内では既に、出所の分からない映像が「武漢肺炎の映像」だとして出回っている。政府が信頼できなければデマが広まり、混乱を引き起こすことになる。政府は武漢肺炎関連の情報を、できるかぎり正確かつ迅速に国民へ伝えるべきだ。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/01/28/2020012880057.html

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