五日間韓国首都圏を歩き回った2人…武漢肺炎防疫網に穴

ソウル江南などで74人に接触した3人目の感染者「スーパー・スプレッダー」の恐れ 4人目の感染者、入国6日後に隔離…文大統領「武漢からの入国者全数調査」 3人目の感染者が行った整形外科で感染疑い例、確定なら中国以外で初の2次感染

  韓国で4人目の「武漢肺炎」(新型コロナウイルス)感染者(感染確定例)が出た。疾病管理本部は27日、「発生地の中国・武漢を訪れ、今月20日に帰国した韓国人男性(55)が韓国で4人目の新型コロナウイルス感染症に感染していることが確認された」と発表した。26日には武漢に住んでいた韓国人男性(54)が3人目の感染者であることが確認されるなど、中国最大の年中行事である春節(旧正月、1月24日-30日)を迎え、韓国で感染確定例が二日連続で出たことになる。韓国を含め米国、オーストラリアなど全世界で2900人以上の感染者が発生している。

  入国二日以内に隔離措置・感染確定診断を受けた1人目と2人目の感染者とは違い、3人目と4人目の感染者は五日間以上隔離されず、ソウル・江南や京畿道高陽市一山など首都圏一帯を歩き回っていた。3人目の感染者は20日に入国してから25日に隔離されるまで、ソウル・江南のホテル、一山のデパート・大型スーパーなどを歩き回って74人と接触し、「スーパー・スプレッダー」(通常以上に感染を拡大させる感染源となる患者)の可能性が高いことが分かった。4人目の感染者は20日に入国したが、26日になって京畿道平沢市内の病院で肺炎と診断されて隔離され、27日に新型肺炎の感染が確認された。

  また、3人目の感染者が接触したソウル・江南の整形外科医院の医療関係者のうち、1人が発熱しており、保健当局では新型肺炎感染の有無を調査している。この感染疑い例が感染確定となれば、地域社会における2次感染者ということになり、中国以外で、中国に行っていないのに新型肺炎にかかった全世界初のケースとなる。

  文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日に対策会議を開き、武漢から入国した人々の全数調査を指示した。保健福祉部も同日、感染症危機警報の段階を「注意」から「警戒」に引き上げた。2004年に導入された感染症危機警報が「警戒」になったのは、2009年の新型インフルエンザ以来12年ぶりだ。感染症危機警報は「関心」「注意」「警戒」「深刻」の4段階となっている。新型インフルエンザ発生時は263人の死亡者が出て、感染症危機警報が最高レベルの「深刻」まで達した。38人の死亡者が発生した2015年の中東呼吸器症候群(MERS)時は感染症危機警報が「注意」だった。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/01/28/2020012880009.html

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