韓国政府「新天地信徒20万5000人を全数調査」

武漢コロナ拡大 専門家「教育生の名簿も把握すべき」 調査にどれだけかかるか予測困難

  韓国政府が、武漢コロナウイルス感染症に関連して、20万人を超える新天地教会の信徒について全数調査を宣言した。

  韓国政府の中央災難安全対策本部(本部長:丁世均〈チョン・セギュン〉首相)は25日、「危機警報を最高レベルの『深刻』に引き上げると共に、全国にいる新天地教会の信徒全体のリストと連絡先について協力を得ることで合意し、全ての信徒を対象として直ちに調査を開始したい」と語った。

  新天地は1984年に李万熙(イ・マンヒ)教祖が創設した宗教で、信徒は21万5000人規模といわれている。25日現在、韓国国内の感染者の半数以上(51.2%)は新天地大邱教会と関連がある。25日に新天地側は「信徒の名前を除外した住民登録番号、住所などの情報を提供したい」とした。韓国政府は、各地の保健所や自治体などにリストを配布し、新天地大邱教会に通った高危険群の信徒から調査する方針だ。しかし専門家らは、今の時点で人員不足に苦しんでいる防疫当局や自治体が、20万人を超える信徒全員を調査するのは非効率的といえる、との指摘を投げかけている。先に大邱市は、今月18日から自治体職員600人、23日からは警察官600人を追加し、丸1週間かけて新天地大邱教会の信徒9300人について調査を終えた。20万人以上の信徒を調査するのにどれだけ時間がかかるか、予測は難しい。

  嘉泉大学吉病院感染内科のオム・ジュンシク教授は「全数調査よりも、彼らのリストを医療機関に提供する方が効率的」と指摘した。病院に新天地の信徒がやってきたら、一般の患者と混じらないよう管理することで感染の危険を減らすことができるからだ。

  新天地が提供するリストを信用できるかどうかも問題だ。新天地問題専門相談所の所長を務めるシン・ヒョンウク牧師は「新天地の提供リストには、隠しておかねばならない有名人などは載らないだろう」として、「教育生など、正式には新天地の籍に入っていない人々のリストも把握すべき」と語った。

  一方、先月31日に死亡した李万熙教祖の実兄は、急性肺炎のため清道郡のテナム病院救急救命室で治療を受けたものの、亡くなったという。清道郡が25日に明らかにした。当時葬儀にやって来た大邱の新天地の関係者3人は、後に武漢コロナの確定患者と判定されたが、教祖の実兄が武漢コロナに感染していたかどうかの確認は極めて困難になった。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/26/2020022680104.html

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