工場の現場状況を確認しないで「マスク供給可能」と発表した韓国政府

 韓国では首都圏のマスク製造業者が27日、工場を閉鎖した。機械3台、アルバイトを含む従業員30人余りが1日に4万枚のマスクを生産していた工場だ。小規模流通業者7社が出荷先だった。   同社の経営者は「政府の指示に従えば、1日に600万ウォン(約54万円)ずつ損失が出る。工場をなぜ稼働させなければならないのか」と話した。マスク生産に必要な原材料でメルトブロー(MB)フィルターの価格が新型コロナウイルスの流行で1キログラム当たり1万ウォンから2万ウォンに高騰し、従業員が作業時に使用するラテックス手袋も20~30ウォンだったものが100ウォンに、作業用の衛生服は1着1100ウォンが3000ウォンにそれぞれ上昇した。毎日13時間の非常勤務態勢が続き、夜間手当、食費、電気料金などの負担も2倍に増えた。

  それによって、1枚500ウォンだった納品価格も1100ウォンに上昇した。ところが、政府が定めた納品価格は1枚700-800ウォンで、販売手数料(1枚100ウォン)も業者の負担だ。同社経営者は「政府は原材料の供給を増やすための努力をしたのか。税制上の優遇をしてくれたか。これだけ働いてもメーカーが暴利を得ているような言い方をされるぐらいなら、閉鎖したほうが楽だ」と話した。

  韓国政府は26日、「マスク緊急措置」を実施した。生産量の10%以上を輸出することを禁止したほか、生産量の50%以上を政府に納品することを柱にしている。それを信じ、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は27日、「1-2日すれば、農協などを通じ、1日500万枚を販売する」と豪語した。しかし、対策には問題点が多いとの批判が現場から上がっている。

  まず、50%を政府に納品するとの条項は、業者に直接損害を与えている。首都圏のあるマスクメーカーは数億ウォンの違約金、損害賠償金を請求される状況となった。最大で日産10万枚の同社は、5月まで毎日6万枚を国内の大企業の生産ライン3カ所で働く作業員向けに供給する契約を昨年結んだ。別の業者とも2万枚の供給契約を結んでいる。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/28/2020022880157.html

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