【コラム】金正恩との戦いなのか

 昨年10月18日、デモ隊の一行が米国大使公邸の塀を乗り越えるという「事件」が起きた。政治的な目的での米大使公邸への集団乱入は、1989年に起きた全大協(全国大学生代表者協議会)による占拠立てこもり以来のことだという。現場で積極的に制止しなかったという批判に対し、警察は「はしごを外せば学生たちが怪我をする可能性があった」と釈明した。塀を乗り越えることに成功した17人は、胸を張って自分たちが韓国大学生進歩連合(大進連)の所属だと名乗った。北朝鮮の対外宣伝メディア「我が民族同士」が「義理堅い闘争に出た若い大学生たちを弾圧するな」とわが政府に注文した。

  大進連を直接見かけたのは今月初めだった。総選挙の激戦地の現場取材で訪れていた、ソウル市銅雀区にある保守系野党「未来統合党」のナ・ギョンウォン議員の事務所前だった。仕事のある社会人たちが忙しく出勤する時間帯に、彼らは一列に並んで「総選挙は韓日戦」「ことごとく安倍の味方」といったプラカードを掲げていた。歩行者は大進連を避けて歩くしかなかった。衝突の懸念から、ナ候補もこの日予定していた出勤者向けの遊説ができなかった。こうした大進連の選挙運動妨害は、全国各地で同時多発的に起きている。

  団体名とは異なり、大進連は「進歩」だとか「連合」という言葉とはかけ離れている。この団体は3代世襲に成功した北朝鮮の金氏一家の独裁を賞賛している。大進連は昨年、ソウルのど真ん中で「金正恩(キム・ジョンウン)賞賛大会」を開催したが、その会場で「(金正恩が)愛と信頼の政治を行った」「胆大で次元の異なる外交実力」などの主張が飛び出した。正義党のユン・ソハ議員に宛てた宅配テロ、光化門広場の世宗大王銅像の奇襲占拠など、この団体の奇行は枚挙にいとまがない。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/03/27/2020032780149.html

コメント

このブログの人気の投稿

MBNの業務停止効力中断

「19世紀式の自主にかまけた586世代、20?30代の登場が望まれる」

韓国政府の救援隊がラオスに出発 医療スタッフら20人