板門店宣言から2年 文大統領「新型コロナを南北協力の機会に」 

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日、青瓦台(大統領府)で首席秘書官・補佐官会議を開き、「新型コロナウイルスの危機は南北協力の新たな機会になり得る。今のところ最も緊急で差し迫った協力課題だ」と述べた。  文大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は、2年前の2018年4月27日に南北軍事境界線のある板門店で初の首脳会談を開催し、完全な非核化の実現を共同目標とする板門店宣言を採択した。  その後2回の南北首脳会談、金委員長とトランプ米大統領による2回の米朝首脳会談、昨年6月に板門店で行われた南北米首脳の会合などが続き、朝鮮半島の平和は機が熟したかに見えた。  だが、同年2月のベトナム・ハノイでの米朝首脳会談以降、米朝非核化対話は膠着(こうちゃく)状態が長期化している。これにより、文大統領の朝鮮半島平和プロセス構想にも狂いが生じている。    文大統領は、2年前の板門店宣言について「戦争のない平和に向かう新たな朝鮮半島時代の序幕を開いた」と評価。一方で、この2年間は「平和は一朝一夕にやってこない」ということを再び痛感したとしながら「期待と失望が繰り返され、そのたびに耐え、遅い歩みだとしても平和プロセスを進展させるために努力してきた期間だった」と振り返った。  また「板門店宣言の実践が遅れているのは、決してわれわれの意志が足りないからではない」とし、「現実に存在する国際的な制約を越えられないためだ」と指摘した。  米朝対話が進展しないことを受けて文大統領は南北関係改善による「好循環構造」を構築しようとしたが、南北協力のための努力が国際社会の対北朝鮮制裁などに阻まれていることに言及したものとみられる。  文大統領は「条件が良くなるのを待ってばかりはいられない」とし、「われわれは現実的な制約要因の中でもできることを探し、小さなことでも絶え間なく実践していかなければならない」と述べた。その上で「私と金正恩委員長の間の信頼と、平和に対する確固たる意志を基盤に平和経済の未来を開いていく」と強調した。  「現実的な制約の中でできること」のうち、優先課題としては南北間の新型コロナウイルスを巡る協力を挙げた。  これに先立ち、金委員長は3月に文大統領に親書を送って韓国国民に慰労の意を伝え、文大統領も返信を送った。これを巡り、南北間の「新型コロナウイルス協力」が実現するのではないかとの観測が出ていた。  文大統領は「南と北は一つの生命(運命)共同体だ」とし、「南北生命共同体は平和共同体に進む土台になる」と強調。「新型コロナウイルスに共同で対処する協力から始まり、家畜伝染病と南北境界線地域の災害、気候変動への共同対応など南北交流と協力が積極的に行われることを願う」と述べた。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/04/27/2020042780270.html

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