光州の法廷に立った全斗煥氏「ヘリからの射撃はなかった」

 「ヘリコプターから射撃したとすれば、多くの人が犠牲になったはずだ。そんな無謀なことを大韓民国の息子である射撃手や中尉、大尉が(するはずはなく、)ヘリコプターからの射撃は行わなかったと信じている」

  1980年の5・18光州民主化運動(光州事件)を巡り、ヘリコプターによる射撃を目撃したと証言した故チョ・ビオ神父について、回顧録で名誉を毀損したとして起訴された全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領(89)=写真=が27日、法廷に立ち、「『5・18』当時にはヘリコプターによる射撃はなかった」として、起訴事実を強く否定した。弁護人を通じてではなく、全元大統領自身が起訴事実を否認したのは初めてだ。

  全元大統領は同日午後、光州地裁で開かれた裁判で、検察による起訴状朗読の後、「公訴事実を認めるか」との裁判長の質問に対し、「自分が知るところでは、当時ヘリコプターから射撃を行った事実はないと認識している」と答えた。全元大統領は同日朝、ソウル市内の自宅を出発し、正午過ぎに光州地裁前に到着した。昨年3月11日の初公判から1年1カ月ぶりの出廷となる。

  マスク姿で乗用車から降りた全元大統領は、10メートルほど歩き、建物に向かう間、「なぜ反省しないのか。なぜ責任を取らないのか」という記者団の質問には一切答えなかった。裁判が長時間に及ぶと、全元大統領は居眠りする姿も見られた。光州地裁周辺では同日、全元大統領の謝罪と処罰を要求する関連団体や市民の集会が終日続いた。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/04/28/2020042880142.html

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