「進歩勢力が既得権集団に変ぼう…正義記憶連帯の疑惑は極めて危険な兆候」

 進歩社会学者の韓相震(ハン・サンジン)ソウル大学名誉教授(中民社会理論研究財団理事長)=写真=が27日、「進歩勢力が国家権力の中心的な価値観に包摂されれば、『進歩』というものは結局、一つのスローガンに過ぎなくなる」「国家権力を中心とした既得権集団または既成体制に変ぼうする可能性が濃厚だ」と述べた。進歩勢力はかつては市民社会を代弁する役割を果たしていたが、既得権化していると指摘したものだ。韓教授は与党・共に民主党の尹美香(ユン・ミヒャン)当選人と、同氏が理事長を務めていた慰安婦被害者支援市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)をめぐる疑惑についても、「一種の権力至上主義」「権力を志向するため、内部から出てくる批判さえ受け入れない独善的な姿」と批判した。

  これは、韓教授が同日、中民社会理論研究財団主催の「韓国社会の新たな変動様相」という集まりで、本紙のインタビューに応じて述べた言葉だ。韓教授は「かつての進歩勢力は市民社会を代弁する性格を持っていた」「政府の過失が生じれば、保守に劣らず批判的な意見を出した。だが、『ろうそく革命』から、文在寅(ムン・ジェイン)政権下において進歩だと標ぼうした市民たちの考え方は変わった。国家権力を一つの手段にして、財閥や労働問題などの改革を推進しようとする中で既得権化した」と言った。韓教授は金大中(キム・デジュン)政権時に大統領諮問政策委員長を務め、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権でも政策諮問役をした進歩系学者だ。

  韓教授は尹美香疑惑について、「非常に危険な兆候だ」と言った。韓教授は「新型コロナウイルス危機を比較的うまく克服する過程で、進歩勢力は『自分は正しい』という自己確信を抱くようになった。そうした時に正義連疑惑のようなことが発生すると、批判する勢力を無条件に『敵』『親日』と規定し、内部批判さえも『権力への挑戦』と考えるだろう」と語った。

  韓教授はさらに、保守陣営は進歩陣営の「既得権化」に対応する準備ができていない、と指摘した。韓教授は「進歩性向の市民が既得権を持つ層に移るにつれ、かつて彼らの代弁をしていた市民社会の声を、保守性向の市民が代替する傾向が現れてきた」としている。そして、「保守性向の市民とは違い、保守系の政界は何の準備もできていない。過去の古い保守体質を離れ、市民社会と共に歩んでいく新たな保守の地形を作れなければ、野党の将来は暗い」と述べた。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/05/28/2020052880081.html

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