【萬物相】少女像の著作権

 「平和の少女像」は慰安婦問題を巡る水曜集会が1000回目を迎えた2011年12月14日に建てられた。当初慰安婦被害者を慰める碑を建てる計画だったが、彫刻を建てる方向に方針が変わったという。短髪で韓服を着て椅子に座っている姿が代表的だが、手にツバキの花を持っているものや、背中に翼を持つ少女像もあった。貝を採集中に日本軍の連れ去られたという被害者の証言にちなんだ少女像の横には鋤(すき)が入ったざるのかけらが置かれている。

  少女像は現在全国120カ所余りに建てられており、それ以外に女子高生が30センチメートルサイズの「小さな少女像」運動を展開したことで、200カ所を超える中学、高校の運動場にも少女像がある。日本の政治家が少女像の前に「竹島は日本の領土」と書かれた杭を立てた事件をきっかけとして、日本に対する嫌悪が高まるほど、少女像は国民的に愛された。釜山の日本領事館前に少女像を建てる際には市民団体が区庁の許可なく違法に設置した。区庁がそれを撤去すると、デモ隊が区庁長を「日本の手先」と攻撃して降伏させた。

  2015年には光州広域市で少女像募金を行った20代の男が4200万ウォン(約365万円)余りの寄付を受けて流用、横領するという出来事もあった。ソーシャルメディアでボランティア活動をしていたこの人物は「大金が入ったので、友だちに酒の一杯もおごりたくて、これぐらいは構わないだろうと流用した」と語った後、行方をくらました。個人口座で寄付を受け、帳簿整理も全くでたらめな点は現在の尹美香(ユン・ミヒャン)氏の疑惑のコピー版だった。

  江原道太白市に最近設置された少女像が除幕式もできずに古い布団にくるまれたままで放置されているという。ソウルの日本大使館前にある「最初の少女像」を製作した夫妻は「著作権法違反」だとして廃棄処分を求めた。「元祖の製作者夫妻」を巡っては、これまでに100体近い少女像を作り、30億ウォン以上を売り上げたとの試算もある。

  少女像を「芸術作品」と見るのか、それとも誰でも作れる皆の所有物と見るのかは人によって考えがは違うだろう。しかし、元祖の製作者が著作権訴訟を予告し、類似した作品を作った人に対し、「犯罪行為だ」と指摘したことには戸惑いを感じた人が少なくないようだ。少女像を特定の製作者がほぼ独占製作し、著作権争いまで繰り広げることには苦々しい思いだ。慰安婦被害者のためという目的は共通していても、寒いのにかわいそうだとマフラーを巻かれる少女像もあれば、光を見ることもなくぼろをまとっている少女像もある。 韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/05/29/2020052980049.html

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