「米中対立」戦略会議で米中に言及しない韓国外交部

 韓国政府は28日、外交部(省に相当)庁舎において「第7次外交戦略調整統合分科会議」を開催した。激しくなる一方の米中対立を巡る対応戦略の模索が目的だった。康京和(カン・ギョンファ)長官は会議の主催者として「最近になって高まる国際社会での葛藤とその波及効果への懸念をよく知っている」「政府は関連する動向を注視している」と述べた。外交戦略調整会議は昨年、米国が反ファーウェイへの参加を求めるなど、米中対立が韓国に影響を及ぼし始めた際、関連する対応策を見いだす目的で発足した。

  しかし康長官はこの日、200字原稿用紙10枚分の全ての発言文を読み上げたが、その中に「米国」や「中国」という単語は一切なかった。最近の米中対立における最大の争点である「香港国家保安法」問題についても何の意見も提示しなかった。外交部当局者らは1時間30分にわたり続いたこの会議において「香港保安法については議論されなかった」と何度も強調した。政府のこのような態度を巡っては、「香港保安法に反対すべき」とする米国と、逆にこれを「支持してほしい」と求める中国との板挟みとなり、方向性を見いだせず戦々恐々としているとの指摘も出ている。政府としては、年内の実現を目指す習近平・国家主席の来韓問題もあり、一層頭を痛めているとの見方もある。

  外交部はこの日、中国の全国人民代表大会で香港保安法が通過したとのニュースについても一切コメントはしなかった。キム・インチョル報道官は定例ブリーフィングでこれと関連する質問を受けたが「香港はわれわれと密接な人的・経済的交流関係を持つ重要な地域」として「1国両制(2制度)下で香港の繁栄と発展が持続することが重要だ」としか話さなかった。かつて次官を務めた外交部OBは「香港保安法を巡る立場を明確にした場合、習主席の来韓が不発に終わりかねないとの懸念が作用したようだ」「しかし香港保安法を支持すれば、民主主義を否定する立場となりかねず、政府としても頭が痛いだろう」との見方を示した。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/05/29/2020052980020.html

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