北朝鮮 脱北者家族への監視強化=韓国から送金・連絡できず

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が北朝鮮脱出住民(脱北者)の家族に対する監視と統制を強化しているようだ。北朝鮮消息筋が28日、伝えた。  消息筋によると、北朝鮮当局は脱北者の家族に対する監視業務を中央保衛機関に担当させ、統制を強化した。脱北者の家族に対する監視業務はこれまでは地方保衛機関が担当し、統制は緩かった。例えば、韓国に住む脱北者が送金すれば、同地域に居住する顔見知りの保衛員にその一部を手渡す方法で監視を逃れてきたとされる。  しかし、中央の保衛機関が業務を担当し、統制が強化されたようだ。  元高官の脱北者は「中央機関が総括管理するというのは、地域保衛部で行っていた脱北者家族の管理を厳格に統制するとの意味。監視・統制が強まり、各地域に中央(機関)の派遣官などが常駐する可能性が高まった」と話した。  別の脱北者は「咸鏡北道茂山郡など、中朝国境に近い地域に中央保衛機関の取締班が派遣されているとの話を聞いた」と伝えた。  監視と統制が強化されたことにより、韓国の脱北者から北朝鮮に残る家族への送金が事実上、遮断された。電話での通話もできなくなっている。  咸鏡北道出身の脱北者は聯合ニュースの取材に対し、「北にいる家族にお金を送ると約束したが、1カ月間連絡が取れず送金できずにいる。ここ数年間、こんなことはなかったが、北へのビラ散布問題で警戒が厳しくなったようだ」と話した。  脱北者の多くは北朝鮮に残る家族に生活・医療・教育費などを支援するため、ブローカーを通じ北朝鮮に送金している。  韓国の北朝鮮人権情報センターによると、昨年末時点で、調査対象の脱北者431人のうち、61.3%(264人)が北朝鮮の家族に送金したことがあった。1回の平均送金額は161万8557ウォン(約14万円)で、年間最高額は2300万ウォン、年間最低額は25万ウォンだった。  脱北者が送金すれば、ブローカーはこのうち20~30%の手数料を取って北朝鮮の家族に渡す。お金が家族に渡ったことを確認させるため、ブローカーは電話で脱北者とその家族をつなげる。  ある脱北者は「北の家族と韓国の脱北者、ブローカーは連絡と送金を中断し、極度に緊張している」と話した。  韓国の脱北者団体は5月末に北朝鮮体制などを非難するビラを散布。北朝鮮はこれに強く反発し、脱北者や韓国への敵対姿勢を強めた。今月初めからは北朝鮮で脱北者を非難する集会が同時多発的に開かれるなど、脱北者の家族に対し、厳しい視線が注がれているようだ。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/28/2020062880025.html

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