韓国経済団体「支障なくとも韓日協力必要」 日本の輸出規制から1年

【ソウル聯合ニュース】韓国経済団体の全国経済人連合会(全経連)は29日、日本政府が半導体などの製造に必要な3品目の対韓輸出規制強化を発表してから約1年となったことを受けて開かれたセミナーで、材料・部品・設備などの分野で国産化にある程度成功したものの、両国の経済にとっては協力強化が利益につながるとする分析を紹介した。  全経連の権泰信(クォン・テシン)副会長は開会のあいさつで、日本がフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材、フォトレジスト)の3品目の対韓輸出規制強化を発表して以降、関連産業が日本依存度を下げることで、半導体やディスプレーの生産には大きな支障がなかったと述べた。  実際に昨年の7~9月期以降、素材・部品の対日赤字は減る傾向にある。  漢陽大の朴在勤(パク・ジェグン)教授は、韓国企業が日本の輸出規制に対し、国産化と輸入先の多角化で対応したとし、「その結果、今年1~5月のフッ化水素の対日輸入の割合は前年の同じ時期の44%から12%に減った」と紹介した。一方で、フッ化ポリイミドとレジストについては、日本からの輸入が増えたと説明した。  また権氏は「材料・部品・設備の分野で真の競争力を強化するためには日本との協力が必要だ」と主張した。   権氏は「国際分業体制では一つの国がすべてをまかなうのは容易ではない」とし、「造船・電子をはじめとするほとんどすべての業種で韓国と日本の企業はグローバル・バリューチェーン(GVC=国際的な価値の連鎖)で緊密につながっている」と話した。   東義大のイ・ホンベ教授も「韓日の材料・部品・設備産業が競争力において優位を確保するには逆説的に日本との緊密な協力が必須」と話した。  イ氏は「韓日の材料・部品・設備産業は分業体制により、18年には約811億ドル(約8兆7000億円)規模の付加価値を創出しており、これを製造業全体に拡大すれば1233億ドルに増える」とし、「両国のGVC崩壊はそれだけの利益の損失を意味する」と指摘した。  イ氏はまた政府が中・長期的に韓日両国に材料・部品・設備産業に特化した地域を作り、企業間研究開発(R&D)プロジェクトを活性化し、技術者や経営者の交流を拡大しなければならないと強調した。   材料・部品・設備産業の競争力を強化するためには中小企業間の合併・買収(M&A)を進め、潜在力のある企業への支援を増やす必要があるとの意見も出された。朴氏は「日本の企業ごとの平均研究開発費は1534億ウォン(約140億円)だが、韓国は130億ウォンで、差が大きい」とし、「グローバル企業のR&Dセンターや生産基地の国内誘致を推進し、国産化を支援しなければならない」と指摘した。  全経連のキム・ボンマン国際協力室長は「全経連は『韓日財界会議』などで日本の経済界と積み重ねた信頼を基に、輸出規制や韓国企業関係者の日本入国禁止措置など当面の課題を解決するために努力する」と述べた。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/29/2020062980235.html

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