「進歩は善、保守は悪」…KBS新ドラマの政治的偏向に批判の声

 放送開始が来月に迫っているKBS2水木ドラマ『出師表』を巡り、「登場人物の政治的傾向に基づいて善悪が分けられている」という批判が起きている。論争が大きくなったことから、制作陣は26日、「偏った枠組みで人物構成を進めてはいない」と釈明した。

  7月1日から放送が始まるドラマ『出師表』は、就職浪人の女性主人公が就職の代わりに区議会議員へ挑戦するというストーリーのドラマ。

  論争が持ち上がったのは、ドラマの登場人物の政治的傾向に基づいて善悪が区分されているという部分だった。

  ドラマの公式ホームページの登場人物紹介コーナーを見ると、「愛国保守党」と「みんな一緒に進歩党」が登場する。当初、愛国保守党の人物らは陰謀を巡らせたり、甲チル(優位な立場を利用した無理強い)、賭博、セクハラなどで物議を醸したことのある政治家だと紹介されていた。「周りの人を利用して巧みに目的を達成する策略家」、「声の大きな人間が勝つという単純無知な座右の銘」などの説明も付いていた。

  逆に「みんな一緒に進歩党」所属の登場人物は、相対的に、寄付やボランティアに専念したり正義感が強かったりという描写になっていた。

  これを受けてネットユーザーらは「保守は悪、進歩は善としか表現しないのは偏向的」と指摘した。保守系最大野党「未来統合党」側も25日に論評を出し、「KBSが今やドラマすら政権プロパガンダに活用している」と批判した。

  論争が起こると、ドラマ制作陣は登場人物の紹介文を一部修正し、釈明文を出した。制作陣は「放送開始前に不本意ながら論争に巻き込まれた点は残念に思う」としつつも、「ドラマ内に党籍を持って出て来る人物は、進歩・保守を問わず大部分は善良な人物として設定されていない。むしろ、政治的性向を全く持たない無所属の女性主人公を前面に出すことで、進歩・保守双方の不正を暴き、風刺するコメディーを追求することに目的を置いている」と表明した。

  さらに「制作陣は、意図的に『進歩は善で保守は悪』という偏った枠組みの中で人物構成を進めてはいない」とし、「劇中、主人公の『ク・セラ』が進歩党側に友好的な行動を取りつつ番組を引っ張っていくことはない。番組の展開上、どちらの側にも偏らない予定」とコメントした。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/27/2020062780015.html

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