【萬物相】「北には1ドルも渡していない」

 2002年3月、米議会調査局のラリー・ニクシー研究員が「現代は北朝鮮に対し、金剛山事業費以外にも4億ドル(約420億円)の秘密資金を支払った」と報告書を通じて明らかにした。当時、現代グループと北朝鮮による裏契約説のうわさが広まっていたが、具体的な額を指摘したのはこの報告書が初めてだった。ニクシー研究員は「韓国の国会が調査すれば事実は明らかになるだろう」ともコメントした。しかし金大中(キム・デジュン)政権も現代グループもどちらも「根拠のないうわさだ」として一蹴した。

  同年6月に西海で北朝鮮の警備艇が韓国の高速艇を突然攻撃してきた。韓国軍兵士6人が戦死した第2延坪海戦だ。北朝鮮警備艇が韓国の高速艇に1発で命中させたとのニュースを見て「北朝鮮は新しい兵器を使った」と考えた国民も少なくなかった。厳洛鎔(オム・ナクヨン)産業銀行総裁(当時)もその一人だった。「ニクシー報告書」には「北朝鮮は韓国から受け取った巨額の現金を軍事目的に使用している」とするCIA(米中央情報局)の分析も記載されていた。

  同年9月の国会国政監査で厳総裁は、現代商船が産業銀行から融資を受けた4000億ウォン(当時4億ドル、今のレートで約420億円、以下同じ)についてオム・ホソン議員に問いただされた。厳総裁は「現代商船社長は『われわれが使った金ではない。政府が代わりに返済すべきだ』と言った」と証言した。この問題で国家情報院対北担当次長に会ったことも明らかにした。4000億ウォンの融資を承認した前任者(当時の金融監督委員長)が「私も悩んだ。青瓦台(韓国大統領府)秘書室長があまりにも強く言ってくるので、どうしようもなかった」と言っていたことも伝えた。北朝鮮への違法送金が社会に知られた瞬間だった。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/07/29/2020072980066.html

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