1カ月間姿を見せていない金与正氏

 韓国の国家情報院は20日、「金与正(キム・ヨジョン)北朝鮮労働党第1副部長は国政全般で兄の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長から権限の一部を委任され、統治に関与している」と国会情報委員会に報告した。しかし金与正氏はここ1カ月間、公式の場に姿を現していない。金与正氏の動きが北朝鮮メディアを通じて外部に知られたのは先月27日、金正恩氏が停戦協定67周年記念式で軍の主要指揮官らに拳銃を授与した時が最後だ。今年3月から3カ月にわたり脱北民団体による北朝鮮向けビラ散布を激しく非難し、開城の南北共同連絡事務所爆破を主導するなど、韓国に対して前面に乗り出した時とは対照的だ。

  朝鮮中央通信は26日、金正恩氏が25日に労働党政治局拡大会議を開催し、台風8号「バービー」とコロナの感染拡大に伴う対策について協議したと報じた。この日の会議には党中央委員会幹部のほとんどが出席したが、金与正氏の姿は見えなかった。金与正氏は今年4月に政治局候補委員に選ばれたため、この会議には出席する立場のはずだった。複数の北朝鮮メディアは、今月13日の党中央委員会政治局会議と19日の党中央委員会6次全員会議に金与正氏が出席したかどうかも明らかにしていない。1カ月前まで金与正氏は各種の会議に出席し、金正恩氏の発言について細かくメモを取る様子が北朝鮮メディアを通じて外部に伝えられていた。

  これについては「金与正氏は最近になって外部で広がる『ナンバー・ツーへの登極』を意識し、露出を控えている」との見方も出ている。高麗大学の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「北朝鮮ではナンバー・ツーとして称された瞬間、その地位がはく奪されるのがこれまでの末路だった」「たとえ金与正氏が白頭血統であっても、けん制と均衡が作用した」との見方を示した。北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋は「金与正氏は対南・対米業務で次のメッセージを出すため調整中の可能性もある」と説明した。米CNN放送は先日「北朝鮮メディアは金与正氏について、『(重要な)何かに備えている』という印象を与えようとしているようだ」と報じた。

  金正恩氏の妻の李雪主(リ・ソルジュ)氏も、今年1月の旧正月に三淵池劇場で金正恩氏と公演を観覧したのを最後に、公式の場に姿を現していない。李雪主氏は昨年も約4カ月にわたり公式の場に姿を現さなかったことがあり、この時は妊娠説や出産説が広がっていた。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/08/27/2020082780005.html

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