【コラム】危うくだまれるところだった

 「チョ・グク元法務部長官事件」がなかったら、今ごろはどうなっていただろうか。反則と偽善は覆い隠され、チョ・グク元長官は大統領街道を突っ走っていたかもしれない。

  チョ・グク元長官がフェイスブックでの政治活動を再開したのを見て、こんなことを思った。もし「チョ・グク事件」がなかったら、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がチョ・グク氏の法務部長官任命を強行していなかったら、一体どんなことが起きていたのだろうか。そうなっていれば、全国民が憤ることはなかっただろうが、チョ・グク氏の本当の姿が明らかになることもなかっただろう。反則と特権に満ちた彼の「ネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫)」は、表面化しなかったことだろう。今ごろ、彼は国会入りを果たしたか、重責を担って大統領選挙への道をひた走っていたにちがいない。商品性に優れている上、ファンたちも熱狂的に支持していたため、支持率で1、2位を争うことぐらいは朝飯前だったことだろう。この勢いを背に2年後の大統領選挙に挑んでいたとしたら、そして「チョ・グク大統領」の誕生が現実のものになっていたとしたら、と考えただけでも、大韓民国にとって悪夢以外の何物でもない。

  チョ・グク氏の事件は、親文左派の偽善も暴き出した。庶民大衆の味方を自任していた左派知識人たちが、味方の貴族のような特権については口を閉ざした。口さえ開けば「公正と正義」を叫んでいたのに、チョ・グク一家の反則と不公正についてはかたくなに肩を持った。もう一方の側の過ちについては非常に残酷だった彼らが、味方の過ちには目をつぶるのを目の当たりにし、人々は偽善的左派の正体を目撃することになった。「進歩」ではなく、「陣営」の奴隷であることが明らかになった。もし、それがチョ・グク氏でなかったら、分からなかったかもしれない。真実を悟らせてくれた彼に対し、感謝くらいすべきなのかもしれない。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/08/28/2020082880189.html

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