「親書ライン」は稼動していても国民を救うためには使わなかった

 青瓦台は25日、南北首脳が最近親書を交わしたことを二度にわたって記者会見で明らかにした。青瓦台の徐薫(ソ・フン)国家安保室長は同日午後2時の1回目の記者会見で北朝鮮の通知文を紹介した後、「参考までに最近、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン、朝鮮労働党)委員長の間で親書を交わした事実がある」と述べた。そして続く午後4時の2回目の記者会見では親書の全文を公開した。文大統領が今月8日に送った親書と、金正恩委員長がその四日後に送ってきた返信だった。

  青瓦台は親書のやり取りがあった直後に公開せず、北朝鮮の銃撃後になってようやく、異例なことに公開した。青瓦台は親書全文を公開することによって、韓国人射殺事件後、青瓦台と大統領の「ずさんな対応」問題で悪化した世論に対応しようとしたものと見られている。

  これに対して、「北朝鮮との通信チャンネルはすべて途絶えたと言っていたのに、親書をどうやって交わしたのか」と指摘する声が上がっている。政府はこれまで、北朝鮮による韓国民間人銃撃の確認と対応が遅れた理由を「北朝鮮との通信ラインがすべて断たれていたから」と説明してきたからだ。野党は「青瓦台の弁明はつじつまが合わない」と批判している。

  文大統領は25日に京畿道利川市内で行われた「国軍の日」記念式の演説で、北朝鮮による韓国民間人射殺に言及しなかった。今回の国軍の日記念式は文大統領が北朝鮮と国民、そして軍に今回の事件についての明確なメッセージを肉声で伝える機会だった。ところが、文大統領は平和のための軍の役割を強調しながらも、「北朝鮮」「挑発」「糾弾」といった言葉は一度も口にしなかった。その一方で「平和」という言葉は6回、「コロナ」という言葉も4回使った。

  文大統領は24日午後、青瓦台報道官を通じて「どんな理由であれ許されない」というメッセージを出した。しかし、その翌日の国軍の日記念式では今回の事件について沈黙した。事件発生から三日過ぎても、この事件に関する肉声のメッセージを出していないのだ。文大統領の沈黙は、北朝鮮の挑発があっても従来の対北朝鮮対話路線を維持するというメッセージだと解釈できる。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/26/2020092680003.html

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