【社説】遺体焼却を確認したと言ったのに、北が否定するや大々的な捜索作業

 北朝鮮に銃撃され死亡した韓国政府職員A氏の遺体の大規模捜索作業が西海で行われている。韓国海洋警察に海軍の艦艇29隻と10隻の漁業指導船からなる合計39隻に加え、6機の航空機も捜索を続けている。A氏が失踪した直後に捜索を行った艦艇20隻・航空機2機と比べると2倍の規模だ。

  捜索作業は今月24日に韓国政府がA氏の死亡を発表してからうやむやになっていた。当時、韓国国防部(省に相当)は「さまざまな情報を詳しく分析した結果、北朝鮮が(A氏に)銃撃を加えて遺体を燃やすという蛮行を確認した」と発表した。A氏がすでに死亡し、北朝鮮がその遺体を焼却したことを確認した以上、捜索の意味がなくなったからだ。ところが翌日には再び大々的に捜索作業を拡大した。北朝鮮が「遺体は見つからなかった。燃やしたのは浮遊物」として韓国側の発表を否定したからだ。失踪した国民を助けるための捜索よりも、すでに死亡が確認された国民の遺体を探すための捜索の方がはるかに大規模となっている。誰が見ても不自然でおかしなことだ。  このような事態が起こった理由は二つのうちの一つだ。まずは韓国軍が不確かな遺体焼却を先走って発表したケースだ。「さまざまな情報を詳しく分析した結果…確認した」とする国防部の発表は、韓米の情報を総合して確かな証拠を確保したという意味だ。これに基づいて韓国軍は「北朝鮮の蛮行を強く糾弾し、北朝鮮の説明と責任者の処罰を強く求める」とのコメントを発表した。もしその判断に問題があったのであれば、韓国軍は国民に無責任な発表を行ったことになる。

  逆に韓国軍が北朝鮮の遺体焼却を今も確信しているにもかかわらず、海上で大々的に捜索作業を行っていることも考えられる。北朝鮮が自分たちの野蛮な行為を隠すために行ったうその説明を擁護するため、信じているふりをしているのだ。これは国民を欺き、兵士たちに無駄な苦労をさせ、国の資源を不必要に浪費することになる。青瓦台(韓国大統領府)が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の顔色をうかがい、韓国軍がその青瓦台のご機嫌を取ることはもう見慣れてしまったので、そのような疑いを拭い去るのは難しくなった。 ◆自国で報道されたニュースを信頼できますか? 韓国は最下位、TOP10は…

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/28/2020092880070.html

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