韓国最高裁の徴用賠償判決から2年 日本製鉄「請求権協定で解決済み」

【東京聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金(現日本製鉄)に強制徴用被害者への賠償を命じる判決を出してから30日で丸2年となる。同社は依然として判決に従う意向を示していないことが29日までの取材で分かった。徴用関連訴訟で大法院から賠償を命じられた三菱重工業も同様だ。  賠償責任を果たす意向があるかとの聯合ニュースの問いに対し、日本製鉄は「いわゆる徴用工問題」は国家間の正式合意である1965年の韓日請求権協定によって完全かつ最終的に解決されたと理解していると述べた上で、両国政府の外交交渉の進み具合などを考慮して適切に対応すると答えた。徴用で苦しんだ被害者に謝罪などの道義的な責任を果たす考えがあるかとの質問にも、同じ趣旨の返答を繰り返した。  三菱重工業は来月、強制徴用被害者や元朝鮮女子勤労挺身隊員らへの賠償を命じた韓国大法院の判決から2年を迎える。同社も、請求権協定により問題は最終的に解決されており、日本政府と協力しながら適切に対応する姿勢に変わりないとした。  一方、徴用問題の解決を促してきた日本の市民団体「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」で共同代表を務める高橋信氏は、引き続き声を上げていく考えを示した。加害国と加害企業の現在の態度は不当で、見過ごすことができないと主張した。  日本企業が判決に従おうとしないのは、日本政府の態度が影響を与えているとの見方も示した。日本製鉄の韓国国内の差し押さえ資産が現金化されないという保証がない限り、菅義偉首相は韓中日首脳会談に出席しないと報じられたことと菅氏が「(現金化は)日韓関係に極めて深刻な状況を招くので絶対に避けなければならない」と発言していることに言及し、判決履行への妨害だと指摘。日本政府は韓国大法院の判決を尊重し、企業が判決に従うことを妨害してはならないとしながら、韓国政府との協議で解決を目指すよう求めた。  日本の市民団体でつくる「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」などで活動している矢野秀喜氏は、現在の日本政府の状況、社会の雰囲気などをみると、企業が個別に協議に乗り出すのは難しいとの認識を示した。日本製鉄が動かないのは日本政府が圧力をかけているからだという。  徴用判決問題は韓日関係を冷え込ませている。矢野氏は、こうした副作用について経団連をはじめとする日本の経済界が声を上げる必要があると提言した。  名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会などの日本の市民団体は今月30日、三菱重工業と日本製鉄の各本社前で判決に従うよう促すとともに要求書の伝達を試みる計画だ。  同会は2007年から毎週金曜日に三菱重工業本社前で被害者への謝罪と賠償を求める集会「金曜行動」を行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて制約を余儀なくされている。代わりに三菱重工業宛てに、判決に従うよう促す手紙を金曜日ごとに送っている。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/10/29/2020102980136.html

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