辞表を1日で撤回した「竜頭蛇尾」の副首相

　洪楠基（ホン・ナムギ）経済副首相が4日、ポストに留まると表明した。特定企業の株式3億ウォン（約2770万円）相当を所有していれば「大株主」と見なし、株式売却時に譲渡益に所得税を課税する案が共に民主党と青瓦台の反対で頓挫したことを受け、「公職者として責任を取る」と辞意を表明してから1日後の辞任撤回だ。

  洪副首相による突然の辞意表明は、追加補正予算の規模拡大、緊急災難支援金の支給範囲拡大など主要懸案について、総選挙など「政治的理由」を掲げる与党や青瓦台に押され、経済担当官庁の立場を貫徹できなかったことに対する抗議だったと受け止められていた。しかし、文在寅（ムン・ジェイン）大統領の慰留に加え、与党から「無責任だ」との非難を浴び、辞意を撤回した格好だ。ただ、洪副首相は文大統領の辞意を表明し、文大統領がそれを認めなかった過程について、青瓦台とは異なる説明を行っている。大株主の要件についても、これまでの立場に改めて言及し、議論の余地を残した。

  洪副首相は同日午前、国会予算決算特別委員会の来年度予算案審議に出席し、「（辞意を認めない）人事権者の意向が発表された」とし、「今の状況では人事権者の意思に沿い、副首相としての職務遂行に最善を尽くしたい」と述べた。洪副首相は前日、辞意表明を文大統領が却下したとする青瓦台の発表についても、「聞いていない」などとし、後任が就任するまで職務を続けるとしていたが、翻意したことになる。

  予算決算特別委で野党・国民の力の幹事を務める秋慶鎬（チュ・ギョンホ）国会議員は「辞意却下を受け入れ、務め続けるというのは本当に無責任な態度だ」とし、「国民はひどい脚本による『政治ショー』だと思う」と指摘した。これについて、洪副首相は「大株主の要件を現行通り（10億ウォン以上）に維持することになり、企画財政部と自分が言ってきたこと（3億ウォン以上への引き下げ）と異なることを申し上げる状況になったため、辞任すると言ったものだ。心からの辞意の表明だが、それを『政治ショー』と言うことについて、はなはだ遺憾に思う」と答えた。 ■韓国、腐敗認識指数39位、TOP10は？

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/11/05/2020110580112.html