北朝鮮が拒否した食糧5万トン…統一部、WFPに「138億ウォン返して」

 韓国統一部(省に相当)は、昨年6月から推進していた北朝鮮への5万トンの食糧支援事業が中止になったことに伴い、国連世界食糧計画(WFP)に「事業管理費」の名目で拠出した1177万ドル(約12億2500万円)を回収することを決めた。統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官は30日の定例記者会見で「政府は昨年6月から、WFPを通じてコメ5万トンを北朝鮮に支援する事業を進めてきたが、現在までに何ら変化がない」とした上で、費用の回収に言及した。

  統一部は昨年、WFPを通じて5万トンの対北食糧支援を推進したが、北朝鮮が韓米合同軍事演習を理由に支援を拒否した。ヨ報道官は「政府はWFPと、事業管理費1177万ドルを返還してもらう方向で協議を進めている」として「政府は年内の回収を目標に協議している」と説明した。さらに「回収した後は、南北交流協力基金の方に組み込まれると考えている」と話した。

  WFPを通じた対北コメ支援事業は、コメの購入費約273億ウォン(約25億6800万円)と事業管理費約138億ウォン(約13億円)で進められていた。このうち運送費・装備費・モニタリング費など事業管理費は南北協力基金を通じてWFP側に拠出した。しかし、北朝鮮が昨年、韓米合同軍事演習などに難癖をつけて支援に否定的な立場を示して以来、現在まで事業が進んでいない。

  このため政府は昨年執行できなかったコメの購入予算を今年に繰り越したが、来年に再び繰り越すのは不可能なため、事業管理費も回収の手続きに入ることになった。北朝鮮が今月中に支援を受ける意向を表明すれば、年内に執行される可能性はあるが、北朝鮮が最近、新型コロナウイルスの防疫を理由に封鎖を強化しているため、実現は難しいとみられている。

  これに先立ち北朝鮮の官営メディア、朝鮮中央通信は29日、国境と海上だけでなく南北の休戦ライン地域に封鎖障壁を構築したと報じた。国家情報院は27日、国会情報委員会で、北朝鮮は中国が提供を決めたコメ11万トンも大連港から搬入していないと報告した。

  こうした中、統一部は人道的次元の対北支援は維持する方針だ。統一部の李仁栄(イ・インヨン)長官は、来年春ごろ新型コロナウイルスのワクチンと治療剤、食糧、肥料などを北朝鮮に支援する意向を最近相次いで明らかにした。

朝鮮日報 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/11/30/2020113080269.html

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